メディア化したインターネットサイトをメディアサイトって言いますが、そもそもメディア化するとはどういうことなのでしょうか?
メディアと言えば私たちのなじみがあるのはテレビやラジオ、雑誌や新聞などの媒体のことだと思います。
メディアは情報の発信力があり、テレビなんかは視聴率を調べることで発信した情報の浸透度を予想することができます。
近年では、インターネットに掲載される情報も非常に拡散スピードが上がり、影響力がついてきています。インターネットの場合は閲覧数(ページビュー)というのがテレビで言う視聴率ということになります。
今やテレビ並みの影響力を持ったメディアサイトとはどのようなものなのか、また私たち個人が構築することは可能なのか考察してみようと思います。
目次
視聴率と閲覧数(ページビュー)の比較
ビデオリサーチが行うテレビの視聴率調査では世帯数を調べる「世帯視聴率」と人数を調べる「個人視聴率」とがあり、同社のガイドブックではそれぞれの視聴率1%の世帯数・人数が掲載されております。
出典:ビデオリサーチ視聴率ガイドブック
上図を見ると、関東地区では視聴率1%は約18万4千世帯の約40万6千人が番組を見たということになります。
インターネットも訪問数と閲覧数というのがあって、サイトに何人訪問してその人たちが何ページ見たかによってそれぞれ集計されます。
そこでネットの閲覧数(ページビュー)をテレビの個人視聴率に当てはめてみると関東のデータの場合約40万ビュー見られているホームページはテレビの個人視聴率1%に相当すると言えます。
単純計算で100万ビューは個人視聴率2.5%ですから深夜枠の番組くらいでしょうか。
深夜放送と言えば最近は「通販番組」がよく放送されているのにお気づきでしょうか?
「たった2.5%で商売になるのかな?」なんて心配をよそに通販番組がなくならないのは、100万人という数字と、それだけの人を相手にすればかなり魅力的で成果がある(絶大な広告効果になる)のだということの裏返しに聞こえるのは私だけではないと思います。
でもいくら効果があるからと言っても個人がテレビ枠を買うなんてことはなかなかできません。
そこで台頭してきたのがネットメディアによる情報発信なのです。
巨大化したインターネットメディア
メディア化したインターネットサイトで最たるものと言えば「オールアバウト」でしょう。
インターネットで検索するとよく目にする情報サイトです。
上の資料を見ると、月間利用者数が約3,030万人とあります。つまり1ヶ月に3,030万人がサイトに訪れて情報を収集していて、もしその人たちが2ページ見たとしたら、このサイトの月間ページビューは6,060万ビューということになり、1日200万ビューを超えます。
先ほどのテレビの個人視聴率に当てはめると実に5%ですから、深夜枠の視聴率の倍になります。
こんなインターネットメディアが既に存在するのです。
そしてこんなメディアに通販広告を流したらその反応がどうなるかは予想がつきますよね。
実際に「All About」に広告を出す場合の価格っていうのが「メディアガイド」としてサイトに出ています。
「All About」(https://allabout.co.jp/)の一番下に「広告掲載」というリンクがあります。それをクリックして出た「広告商品のご案内」というページの中に「資料ダウンロード」がありますのでよろしければご覧になってみて下さい。
「All About」に記事広告として記事を掲載すると、内容にもよりますが1か月間掲載で300万円から3,000万円となっています。
その金額に驚くと共に、「何だ、テレビとあまり変わらないんじゃないか?」なんて思うはずです。
そうなんです。ここで言いたいのはもはや「メディア化」したサイトはテレビと同じだということ。その証拠にそんなバカ高い広告費を出してでも効果が見込めると認識されているということなんです。
「All About」がなぜここまでメジャーなのかと言えば、専門家がたくさん乗り合い、それぞれが得意分野で実名で記事を発信し、それをユーザーが信頼し、結果Googleが認めるに至り、ドメインパワーも相当なものとなり、様々なジャンルの検索上位に掲載されているという説明がつきます。
検索上位に表示され、ユーザーがたくさん訪問して来れば、そこには商機があります。ですから広告価値が上がるのです。
個人のサイトは「All About」に太刀打ちできるか?
月間訪問者3,030万人と聞いて、「こんなん個人じゃ無理じゃん」なんて思っている方のためにもう少し希望が持てるお話をいたします。
上で紹介した「All About」のメディアガイドと同じところに「ガイドサイト一覧」というのがあります。
出典:All About
ここには各テーマ別の訪問数とページビューが記載されています。
「All About」は月間訪問者数が3,030万人と言いましたが、それはテーマ約1,300の合計であって、例えばその中のひとつのジャンルである「住宅・不動産」にテーマを絞ると11のチャンネルしかなく、その月間訪問者の合計は1,528,232人でページビューは3,072,579PV(※2017年5月実績)ということになります。
それでも月間300万PV(ページビュー)を誇るメディアサイトであることに違いありません。
しかし、月間300万PV(ページビュー)くらいのサイトは個人でも運営している人はたくさん存在しますので充分に太刀打ち可能であるということなんです。
皆さんも是非ご自分の得意分野は「All About」でどのくらいの訪問者がいるのか調べてみてください。
「以外に行けるじゃん」って思うんじゃないでしょうか。
大手企業がメディアサイト運営に続々参入
一回育ってしまえばその影響力は絶大でテレビなどの既存メディアに引けを取らず、運営コストも格段に安いとなったら大手企業が放っておくわけがありません。
事実様々な分野の企業がメディアサイト運営に参入しています。
コカ・コーラ ジャーニー
日本コカ・コーラ株式会社のコーポレートサイト
コーポレートサイトも単なる会社案内や商品紹介にとどまらず、様々な記事コンテンツによる情報発信を積極的に行うオウンドメディアへと進化しています。
出典:日本コカコーラ株式会社
他のサイトをご覧になりたい方は下のサイトを参照してみてください。 ↓↓
メディアサイト構築には時間がかかる?
メディアサイトといえどもその仕組みはブログです。
しかし闇雲に記事を投入すればいいというものではありません。
コンテンツSEOによるライティング技術でユーザーの悩みを解決できるだけのコンテンツをコツコツ投入し続けなければなりません。
ではどのくらいの時間や記事ボリュームで育っていくのでしょうか?
下の図は、私が以前運営していたブログのひとつのアクセス数(ページビュー)の推移です。
(※ページビューというのは何人来たかではなく何ページ読まれたかということです。)
このブログは、2015年4月15日にスタートして、1年後には月間ページビューが15万を突破しました。そのスタートから約半年間の推移です。
この図を見ると7月にようやく1,000を超えたのがわかります。
そして約半年(実際には5.5ヶ月)後に2,500ページビューとなり、月に計算すると75,000ということになります。このブログは当時、週に5記事はアップしていましたので5.5か月間で100記事以上のボリュームがありました。
何を言いたいのかというと、現在のSEOは結果が出るまでに時間がかかるということです。しかしこの図からはっきり読み取れるのは、記事の質にもよりますが、記事投入量と閲覧数が見事に比例しているということです。
つまりウェブライティングで書かれた良質な記事をたくさん投入すればおのずと閲覧数も増えてくるという事実をこの図は表しています。
まとめ
自分のブログを育ててメディア化させるにはそれなりのノウハウと、何より時間が必要ですが個人でも十分可能だということがわかっていただけたと思います。
現に大手企業はその潤沢な資金力ですでに育ったメディアサイトを買収しています。(サイトM&Aと言います。)
ということは大手企業はメディアサイトが育つまでの時間を買っているにすぎません。
個人でも参入ハードルが低く、手軽にスタートできるとあってブログによるネットビジネスは全盛ですが、成果が出始めるまでにかなりの時間と労量が必要なために挫折する人も少なくありません。
しかし成功した暁には手塩にかけたメディアサイトを企業に売却するもよし、運営し続けてアフィリエイトなどで永続的な報酬を得るのも良し。
一度成功すれば横展開運営もノウハウ提供もできるという縦横無尽なビジネス展開を定年なしでできるのです。