あなたは、乳房再建手術を知っていますか?
乳がんの手術で乳房をなくしてしまった女性は、女性の象徴とも言える乳房を喪失したことで自分自身をも失くしたような悲しい感覚にとらわれると言います。
なくした乳房を元に戻すための形成外科分野の手術である乳房再建手術を行うことで、きれいな乳房と失われかけた人生を取り戻して、自信に満ちた生活を送れるようになった女性がたくさんいます。
ここでは、そんな乳がんで乳房を失った女性の人生を取り戻すことができる「乳房再建手術」について基本的な部分を解説していきます。
目次
乳房再建手術の基礎知識
乳房再建手術には、大きく分けて「患者自身の体の組織を移植する方法」と、「シリコンなどでできた人工物を挿入する方法」との2つがあります。
自分の体の組織(自家組織)を使って乳房を再建する方法
自分の背中やお腹の筋肉などを移植する手術。
手術目的の入院期間
1~3週間(施設により異なります)
手術後の仕上がり
自然なやわらかさや温かみ
デメリット
- 背中やお腹に傷跡が残ります。
- お腹の場合、手術後に腹筋が弱くなるため、腹部の手術をした人や妊娠・出産を考えている人には向きません。
費用
30~60万円(3割自己負担の場合)※高額療養費制度の利用後の実質負担は約8万円程度(70歳未満、一般世帯)
ティッシュ・エキスパンダーとシリコンインプラントを使って乳房を再建する方法
シリコン製の人工乳房(インプラント)を入れる方法で、胸の筋肉と皮膚を拡張させるティッシュ・エキスパンダーを用いる方法を併用するのが一般的です。
手術目的の入院期間
日帰りも可能
手術後の仕上がり
人工乳房(シリコン)なので、やや硬い感じ
デメリット
- 人工物を挿入するので感染症や合併症を引き起こす可能性がある
- 将来的なインプラントの入れ替えや、術後のケアが必要
費用
ティッシュ・エキスパンダー:10~20万円
インプラント:30万円程度
※高額療養費制度の利用後の実質負担は約8万円程度(70歳未満、一般世帯)
両方を併用する方法も
自分の体の組織(自家組織)だけだとキレイに元通りにするにはボリュームが足りない場合や、シリコンだけだと乳房がきれいに再建できない場合などには、両方を併用して再建手術を行う場合があります。
乳房再建手術の流れ
乳房再建手術は、がんの治療が完了していれば基本的には患者さんの希望するタイミングで行うことができます。そして、手術のタイミングは患者さんごとや状態によって異なります。
「一次再建」と「二次再建」
乳房再建手術には、乳がん手術と同時に行う「一次再建」、乳がん手術のあと一定の期間をおいて行う「二次再建」があります。また、一次再建と二次再建にはそれぞれ一度の手術で完了する「一期再建」と、最初にティッシュ・エキスパンダーを挿入して胸の筋肉と皮膚を拡げておいて、その後、乳房再建を完了させる「二期再建」とがあります。
一次再建のメリット
一次再建のメリットは大きく2つあります。
- 乳がん手術と再建手術が同時に行われるので、乳房の「喪失感」が少ない
- 入院期間が短いので、体の負担も費用の負担も少ない
一次再建のデメリット
- 手術に対してじっくり検討する時間が少ない
二次再建のメリット
二次再建のメリットは大きく3つあります。
- 乳がん手術と再建手術が同時ではないので、がんの治療に専念できる
- 再建手術に対してじっくり考える時間が取れ、情報収集する時間も取れる
- 乳がん手術と再建手術を別の医療機関で行うこともできる
二次再建のデメリット
- 手術の回数が最低でも2回と増える
- 入院や手術の費用が増える
乳頭や乳輪の再建
乳頭や乳輪の再建も乳房の再建手術が完了した後に行うことが可能です。乳房再建手術が完了してから半年ほどが経過すれば、日帰りでの手術することも可能です。
乳頭の再建手術の内容
- 反対側の乳頭の一部を移植する
- 再建した乳房の皮膚を切り取り、星形に成型して立体的に組み立てる
乳輪の再建手術の内容
- 反対側の乳輪の一部を移植する
- 足の付け根の皮膚の色の濃い部分を移植する
- 入れ墨(タトゥー)で着色する
※入れ墨は健康保険の適用外ですので10~20万円が自己負担となります。その他の手術は健康保険が適用されて約3万円程度です。
医療用ウィッグ
乳がん治療において、「医療用ウィッグ」の存在も忘れてはいけません。女性が元気に前を向いて治療に専念するためには、医療用ウィッグについてもしっかりと情報収集しておいたほうがいいでしょう。
以下に情報をまとめていますので参考にしてみてください。
乳房再建手術の費用について
以前は、自分の体の組織(自家組織)を使って乳房を再建する方法のみが健康保険の適用を受けることができました。しかし、2013年7月からティッシュ・エキスパンダーとブレストインプラント、2014年1月からはインプラント(ラウンド型)が健康保険の適用となりました。
ですから、かかった費用も高額療養費制度を利用することができ、以前に比べて経済的に安心して再建手術に踏み切ることができるようになりました。
乳房再建手術と民間の医療保険・がん保険
現在、一部の生命保険会社では乳房再建手術も保障の対象としている医療保険を販売しているところもあります。しかし、健康保険の適用となった現在、高額療養費制度も利用できるようになり、そこまでの需要があるとは思えません。
心配になる気持ちもあるとは思いますが、保障を得るためには保険料も必ず支払わなければいけません。現在の預貯金などを確認し、万が一のことがあった場合にそのお金を捻出してもその後の生活に支障が出ないようでしたら、保険に頼る必要はないかもしれません。
しかし、もし預貯金などの蓄えが少なかったり、生活に支障をきたす可能性がある場合には民間の医療保険やがん保険を検討するのもひとつのリスク管理ではないでしょうか。
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