ここでは、「セールス手帖社保険FPS研究所」が作成したデータを基に、乳がんの治療を行った女性の実際にかかった費用を解説していきます。
最後に、この治療でかかった費用の全額が出ていますので、この金額をイメージしてお読みください。あなたがイメージしていた金額と実際にかかる費用、どう違うのでしょうか?
目次
パーソナルデータの解説
家族構成
夫:45歳(会社員)、子ども1人(中学生)
病状
5年前に「がん告知」を受け、最初は温存手術をするも術後の検査の結果、全摘手術を行うことになる。その後、乳房再建手術も行う。手術前に抗がん剤治療、手術後に抗がん剤治療とホルモン療法を併用し、現在はリンパ浮腫を発症。
定期的に治療に通ってはいるが、全額自己負担のために費用がかさんでいる。その他に補完代替医療にも関心を寄せている。
病気前の年収
約700万円
備考
共働き夫婦で、妻の収入が夫以上にあり世帯収入が高いので、住宅ローンや教育費の負担も軽くはないケース。
受けた治療内容とその費用の内訳(前編)
1. 最初の異変に気づき、検査を受診
しこりに気づき、勤務先近くのクリニックでマンモグラフィ検査、超音波エコー検査、マンモトーム生検、MRI検査などを受けて、乳がん(右乳房)ⅡB期と診断される。
検査・診断費用等
12万円(自己負担額:約3万6,000円※3割負担)
2. 診断の結果、セカンドオピニオンを受けることに
乳房全摘出と診断されたため、セカンドオピニオン診療を受ける。
セカンドオピニオン診療の受診費用
約3万3,000円(全額自己負担)
診療情報提供書・検査資料提供書の費用
6,000円(自己負担額:約2,000円※3割負担)
3. 転院
手術前の薬物療法で乳房温存の可能性があることを知り、セカンドオピニオンを受けた病院へ転院。
治療法を確定するための画像検査
5万円(自己負担額:約1万5,000円※3割負担)
4. 3ヶ月の薬物療法
手術前に薬物療法を3ヶ月行う。
手術前の抗がん剤治療による薬物療法(3ヶ月)
72万円(自己負担額:約21万6,000円※3割負担)
副作用を緩和させるための費用
10万円(実費負担:ウィッグ、帽子、健康食品、サプリメント等)
5. 乳房温存手術をおこなうために入院
抗がん剤治療によって乳がんが縮小し、乳房温存手術をするために入院。
入院費・手術費
55万円(自己負担額:16万5,000円※高額療養費適用後の自己負担 約8万3,000円)
差額ベッド代
10万円(全額自己負担※1日2万円×5日間)
入院時の諸費用
約2万円(実費負担:生活雑貨、パジャマ代、手術の際に必要なT字帯等)
入院時の家族にかかった費用
約1万円(実費負担:家族の通院などの交通費、家族の外食代等)
6. 再手術
一度退院はしたものの、病理検査の結果、がんが取り切れていないことがわかり再手術(全摘)。17日間の再入院をし再手術と同時に右乳房の同時再建手術(一次)も行う。
入院費・手術費
132万円(自己負担額:39万6,000円※高額療養費適用後の自己負担 約9万円)
差額ベッド代
34万円(全額自己負担※1日2万円×17日間)
入院時の諸費用
約1万円(実費負担:生活雑貨、パジャマ代、手術の際に必要なT字帯等)
入院時の家族にかかった費用
約3万円(実費負担:家族の通院などの交通費、家族の外食代等)
受けた治療内容とその費用の内訳(後編)
7. 再発防止のための治療開始
再発防止のために、手術後の薬物療法を行う。その際に、再発や遠隔転移のリスクを予測する遺伝子検査も行う。
遺伝子検査(オンコタイプDX検査)
約40万円(全額自己負担)
手術後の薬物療法(抗がん剤と分子標的治療薬を1年間)
320万円(自己負担額:高額療養費適用後の自己負担額 約62万円)
副作用を緩和させるための費用
約40万円(実費負担:健康食品、サプリメント、漢方薬、ヨガ・スポーツクラブ等)
8. 再発防止
再発防止のためにホルモン治療を行う。
ホルモン治療(定期検査費用を含む)
447万円(自己負担額:約134万円※3割負担)
9. 乳房再建手術
自家組織による乳房再建手術を行う。入院期間は10日間。
入院費・手術費
100万円(自己負担額:30万円※高額療養費適用後の自己負担 約9万円)
差額ベッド代
20万円(全額自己負担※1日2万円×10日間)
入院時の諸費用
約3万円(実費負担:生活雑貨、パジャマ代、手術の際に必要なT字帯等)
10. リンパ浮腫外来で月一の治療
腋窩リンパ節郭清を受け、リンパ浮腫を発症する。月一回のリンパ浮腫外来でリンパトレナージを行う。
リンパトレナージ(マッサージ)
約18万円(全額自己負担)
リンパ浮腫の予防のための弾性スリーブ代
6万円(自己負担額:約1万8,000円)
11. 遺伝子検査、遺伝カウンセリング
がん家系のため「遺伝性の乳がんではないか?」と心配になり、遺伝カウンセリングと遺伝子検査を受ける。
遺伝カウンセリング
約1万5,000円(全額自己負担)
遺伝子検査
約25万円(全額自己負担)
12. その他の費用
通院のための交通費や会社等に提出する診断書費用、がん関連の書籍等の購入費用など。
通院のための交通費
約12万円(実費負担、5年間)
その他の雑費
約10万円(実費自己負担)
乳がんの治療費の総額は約484万8,000円
乳がんに罹患して約5年間でかかった費用の合計は約484万8,000円となりました。この金額は、高額療養費制度の適用後の金額(上記赤字金額の合計)ですので、実際にこれだけの金額が出ていったと言うことです。
乳がん罹患後の収入の減少
この方の職場は女性が多い職場だったので、病気に対する理解はある程度得られていました。それでも火事と育児の両立に大変なところに、さらに乳がんと言う不幸が重なり、何度かの入院や通院で、残業もできず、治療の副作用で仕事も休みがちになりました。
そして、その結果収入も乳がんに罹患前と比べると約4割も収入が減少しました。現在は少しずつ通常の勤務に戻りつつあるので収入も戻りつつあるが、無理はできずにいます。収入は約700万円あった年収も約560万円まで下がりました。
がん保険は必要か?それとも不要なのか?
ひとくちに「乳がん」と言っても、その人、状況、部位、進行度合いによって治療方法も様々です。
なので、ここで挙げた治療費の例も誰にでも当てはまるものではありません。「一例」に過ぎないんです。これ以上お金がかかる人がいれば、かからない人もいるでしょう。しかしそれは誰にもわかりません。
一番わかりやすい基準を言えば、あなたの現在の預貯金などの資産がどれくらい用意されているのかになるのではないでしょうか。
預貯金があっても、がんの治療費でその全てがなくなってしまうと、その後の生活に支障をきたしてしまう可能性があります。また、「がん保険に費やすお金があるのなら預貯金に回して」と言う意見もあります。
がんに罹らなければ、お金は使わずにすむので使い道が他にできると言うことを考えれば良いアイデアかもしれませんね。しかし、一番怖いのは「これから預貯金を始めるところだった人」や、「まだ預貯金を初めて間もない人」「これから確実に出費が増える人」です。
将来的には「がんに対して備えるお金」がイメージできていたかもしれませんが、その志半ばでがんに罹ってしまったとき、もしその治療費が数百万円になってしまう場合どうしますか?
自己責任だから諦める?
「保険なんかいらない」と言った人を責める?
どちらもスマートじゃない気がします。
「ゼロか100か」ではなく「いいところ」を取る
「保険はもったいないからやめる!」「いやいや、がんは怖いから保険にたくさん入る!」、どちらもちょっと待ってください!保険をやめるとリスクがあり、保険に加入しすぎると出費が増えるリスクがあります。だからしっかりと検討しないといけないんです。
がん保険にも種類がたくさんあります。保障内容も保険会社ごとに特長があり、「何をメインの保障で考えるか?」によって選ぶ保険も変わってきます。もちろん毎月の保険料にも差が出てきます。
同じような保障でも、毎月7,000円の保険料が必要な保険会社もあれば、毎月3,000円の保険料ですむような保険会社もあります。
あなたに保険は必要か?それとも不要なのか?しっかりと見極めることが必要です。そして、必要と感じたのであれば、あなたにはどんな保険が必要なのかをしっかりと確認して加入することが必要です。
そのために必要なことは、保険のプロに相談すると言うことです。
あなたがいくら勉強しても、プロの知識や情報力には敵いません。
あなたが1年間毎日素振りをしても、プロ野球選手の投手のボールをホームランできないのと同じです。
信頼できるプロのFPに相談すれば1~2日で、あなたにピッタリ合った保険を選ぶことができます。仕事に家事に忙しいあなたの代わりにFPが、あなたにピッタリの保険を探してくれます。
お金も時間も節約できる保険相談、しかも無料なら使わない手はないですよね。
そして、あなたが本気で生命保険を選びたいなら、あなたが信頼できるFPを選ぶことができる『FPのチカラ』がお勧めです。
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もっと詳しく『FPのチカラ』について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
参考:保険相談のクチコミランキングに変動!?これからは「FP完全指名型」の保険相談です!
がんのリスクを回避する方法は保険だけではない
大事なことは、「保険だけがリスク回避の方法ではない」と言うことです。
預貯金や投資、色々な方法で資産を増やすことができます。お金さえあれば保険に頼ることもありません。また、両親などの親族が近くに住んでいるようなら協力も取り付けるよう努力することもひとつです。
家賃が高いところに住んでいるなら、少し家賃を抑えたところに引っ越すと言うこともひとつです。色々なことを考えたうえで、必要であれば保険も考えましょう。
何度も言いますが、保険はリスク回避の方法のひとつにすぎないんです。
このことも覚えておいてくださいね。