ふと、不動産屋さんの看板やチラシを見ると、
「ペット可」「ピアノ可」「事務所可」「二人入居可」なんて言葉が目につきませんか?
「水商売」に至っては「歓迎」だって。
実際、上記のような事情を抱えたお客さんのお部屋探しは相当苦労するしご自身でも多少なりとも自覚していると思います。
そんな中でこのような看板を見ると「実に良心的な不動産屋さんだなぁ」なんて感心してしまうんじゃないでしょうか?
でも、なんかありそうですよね。
目次
ペット・ピアノ・事務所兼・二人入居・水商売歓迎
実は、そのような人たちは賃貸営業マンにとっておいしいお客様なのです。
先にも言いましたが、当然お客さん本人達は難しいお部屋探しということは自覚しています。もし、自覚していない人がいたらとことん「あなたのお部屋探しは普通じゃないんですよ。」ってことを教え込みます。
するとお客さんは最終的には「どこでもいいから探してください」っていう気持ちになってしまいます。
普通のお客さんだとある程度のわがままも言えるのでしょうが、この手のお客さんは営業マンのいいなりになってしまうのです。
「貴方にはこのお部屋しかないんですよ」ってね。
では現状はどうなんでしょうか。
ひとつづつ見て行きましょう。
ペット可物件
近年ペット人口の増加で、ペット可の物件も増えてきたのはとてもいいことです。とはいえ、まだまだ需要に追いついていないのが現状です。
そうしたニーズに答えるために不動産屋さんも考えます。
分譲タイプの物件に黙って住ませたり、大家さんが近くにいないところを探したり・・・。お分かりとは思いますが、もしこれで仮に黙って入れたとしても明らかに契約違反ですので、ばれたら即退去を言い渡されてもしょうがありません。
また、分譲タイプの場合はたとえ大家さんがいいと言っても、管理組合が反対したりしますので思わぬトラブルに巻き込まれたりする危険性があります。
業者側もそんなこと百も承知で、お部屋を紹介する段階で「あくまでも自己責任ですよ」なんて布石を打ちますので後で文句を言ったって知らぬ存ぜぬでしょう。
始めはペット不可で募集していたのに入居者が集まらないのでペットやピアノ可として不可価値をつける物件も少なくないです。その結果ペット可の物件は専用マンションでない限り古かったり、駅から遠かったりします。
お部屋探しにとってペット持ちはハンディです。
そのことをしっかり自覚して腰を据えて探すことをお勧めします。
ペットの為なら多少の不便は妥協するぐらいの気持ちが必要かもしれません。
ピアノ可物件
難易度としてはペットより高いです。グランドピアノはさらに超がつきます。
ピアノ不可の理由は音と重量です。
私はグランドピアノを持ったお客様のお部屋探しをしたことがありますが、何十軒もの物件を一軒一軒確認をとり、ようやく一軒だけ見つかったという経験があります。
こうように条件付きの物件は図面にはうたっていなくても問い合わせを入れると以外にもOKをくれることが少なくありません。そのことを知っている担当者は、このようにまめに探してくれるのです。
ピアノ可をうたう物件のほとんどがアップライトです。また、電子ピアノは、ヘッドホンの条件付きでOKでしょうが、ピアノはピアノですので必ず確認が必要です。
事務所可物件
住居として貸し出されている物件を事務所として使いたい場合は、必ずその旨を伝えましょう。
マンションの多くは住居専用だったりします。黙って表札や郵便受けに会社の名前を貼ろうものならすぐに管理人が飛んでくるでしょう。
事務所可でも、住居なら敷金2ヶ月ですが、事務所は3ヶ月になるところが多いです。また、住居を兼ねる場合は相談によっては住居としてみてくれる場合がありますので、使用目的や住居と事務所との割合等を正直に伝えましょう。
2人以上の入居
2人以上の入居というのはいろんなタイプがあります。
まず、兄弟や親戚縁者同志・家族・夫婦・婚約者同志・友人・他人同志のシェア・等
ワンルーム等の単身用住居はまず、例外無しで2人入居は無理でしょう。
兄弟・親戚・家族・夫婦であれば、ファミリータイプや2人入居可の物件であれば問題なくOKです。婚約者同志の場合はたいていの場合、それぞれに保証人を立てればOKでしょう。
友人や他人のシェアも2人ぐらいであれば良いのですが、それが異性であったり3人以上となると難しいです。業者によっては異性の場合、婚約してなくても婚約者だといって審査を通すケースは少なくありませんが、人数が多いとそうはいきません。
最近ではインターネットで簡単に知らないもの同志でシェア仲間を募集できる時代です。またシェアルームを専門に扱う不動産屋さんの数も増えてきましたので、はじめからそちらをあたったほうが賢明でしょう。
日本の賃貸事情はまだ欧米のようにルームシェアというのは一般化されていませんので、根気強く探しましょう。また、担当者を味方につけて交渉してもらうのがいいでしょう。
水商売
なんで水商売の人が賃貸では敬遠されるのでしょうか?
一般の入居者とは生活のリズムが逆であるがために、気を付けていても生活音レベルでも苦情が出たり、年齢の割りに収入が高いために生活レベルもあがります。すると当然お部屋もそれなりに、となるとどうしても高い家賃のお部屋を希望されるんです。
入居審査の時点でたとえ収入を証明できるものを提出できたとしても、年齢が若い割に高収入の方って疑われちゃうんです。
また、仕事を辞めちゃったりすると確実に家賃が払えなくなるためにトラブルになるケースが過去にも多くあったために敬遠されることが多く、この手のお仕事の方はお部屋探しが難しいです。
しかし難しいとはいえ、実際にたくさんの方がそれなりのお部屋に住んでいるのはどういうことでしょうか?
実はそれはそれで、不動産屋さんにも対応策というかノウハウみたいなものがあるんですね。
詳しくは
「ケース別アドバイス」のコーナーで詳しく説明していますので是非ご覧ください。
ということで、以上の中でいちばんおいしいとされているお客さんは水商売の方です。
入居審査を通すことができればそもそも家賃が高いので仲介手数料も稼げますし、選択の範囲が狭いことを自覚されているので不動産屋さん側がイニシアティブを取ることができます。
そして、何よりも一回喜んでもらえれば、同じ境遇のお友達をたくさん紹介してくれるんです。この人たちは本当に義理人情に厚いです。
水商売歓迎とか、中には水商売の方を専門に扱う不動産屋さんもありますが、ノウハウや経験が蓄積されれば重宝されて専門でも充分にやっていけるんです。