私はアロマテラピーを学び始める前から香水も好きでしたが、強い香りは苦手。自分でも付けすぎないように気をつけていましたが、鼻って段々麻痺していくので怖いんですよ〜。
精油の自然な香りになじむようになってからは、柔軟剤などの合成の香りもちょっと苦手になってきました。
香りの強さって、自分では気づきにくくなっていくので、歩く「香害」にならないように注意したいですね。
あの人マーキングして歩いてる、なんて思われたくないですからね。
今回は失敗しない香水の付け方や香りのマナーについてお話したいと思います。
目次
嗅覚は麻痺しやすい!?
においを感じること、においに対する感覚を「嗅覚(きゅうかく)」といいます。この嗅覚はとても麻痺しやすい感覚で、同じにおいを嗅いでいるとそのにおいに対して感覚が鈍くなっていくんです。
たとえば、トイレのにおいとかイヤなにおいだったとしても、しばらく嗅いでいると最初に嗅いだときほどの衝撃は薄れていきませんか。
嗅覚はとても疲労しやすく、どんなに強烈なにおいだったとしても長時間嗅いでいると段々においが分からなくなっていくんです。
だから香水の強さが分からなくなる!
ですから、毎日同じ香水を嗅いでいると段々その香りに鼻が慣れていってしまうのです。慣れているから自分では付け過ぎなことに気づかずに、ついつい大量に付けてしまって歩く「香害」になってしまうんですね。
家族でも友人でも「ちょっと香水付け過ぎじゃない?」と教えてくれる人がいるといいのですが、一緒に住んでいる家族だと、もしかして同じように分からなくなってしまっている可能性もありますね。
失敗しない香水の付け方
では、どうすれば香害にならないように香水を楽しめるのか、それはつける量と場所がポイントです!
香水の量
香水の量は「これだけで香るかな〜」と思うくらいの少ない量でちょうどいいです。
香水をつける場所
香りは体温の高い場所につけるとよく香ります。また、低いところから高いところに上っていくという性質もあります。
- しっかりと香らせたい時は手首の内側、耳の後ろなど
- 香りを控えめにしたいときは膝の裏、足首など下半身
このように付ける場所を変えるだけでも香り方が違ってきますよ。会社につけていく時は下半身に付けておいた方がいいですね。
出かける30分前に付ける
出かける直前ではなく、30分前くらいに付けておくと香りがなじんで優しくなります。
香りのマナー
大人なら知っておきたい香りのマナー。香水の種類やTPOをわきまえたつけ方をしたいですね。
香水の種類
TPOに合わせた香水選びも大事ですよ。香水は濃度によって香りの強さが違いますから、香りの強いものを会社につけていくのはおすすめできません。
◆パルファム
持続時間:5〜12時間
濃度:15〜30%
一番香りが強い香水。夜のパーティなどにはいいですが、昼間の香りではない気がします。
◆オーデパルファム
持続時間:5〜7時間
濃度:10〜25%
これもかなり強めです。やっぱり夜のパーティなど華やかな場所が向いています。
◆オーデトワレ
持続時間:2〜5時間
濃度:5〜10%
普段でも使えるかなというくらいの香りの強さ。付け直すなら午後1回で十分です。
◆オーデコロン
持続時間:1〜2時間
濃度:3〜5%
それほど香りは強くありませんから、初めて使うならコロンがいいでしょう。
ただ、香水の国際的な規格のようなものはありませんので、これは一応の目安です。メーカーによっても表記の仕方が違うので、香りは実際に自分の鼻で確かめて買いましょう。
香水を使うのにふさわしくない場所
お見舞いなどで病院に行く時は香水は控えましょう。お花もユリなど香りの強いものはよくないとされていますよね。それと同じです。
体調が悪いとにおいに敏感になっています。普段は平気な香りでも不快に感じることがありますから極力控えます。
食事の場所もあまり強い香りは適していないですね。夜でお酒を飲んでいる時は別ですが、日中のランチ会などは、強い香りによって料理の味が損なわれてしまいます。
美味しいと感じるのはにおいですからね。香水で味を殺してしまわないように気をつけましょう。
香水だけじゃない!柔軟剤の香害
なんと国会でも取り上げられている柔軟剤の香害。→「柔軟仕上げ剤による香料被害」
国民生活センターが日本石鹸洗剤工業会に対し、配慮を促す取り組みを要望するまでにいたっています。
隣の家の洗濯物の香りが強すぎる、職場の隣の席の人の香りで吐き気がするなど、規制して欲しい!という声まで上がっている始末です。確かに、いつの頃からかやたらと香りが強くていつまでも残っている柔軟剤が増えてきましたね。
署名活動まで行われていますよ。
ちょっとした社会問題にもなっている柔軟剤。自分が好きでも人の迷惑になっている可能性がありますからこれも注意をしたいものです。
良い香りも一定のレベルを超えたらただの悪臭です。
ちょっと裏技的なアロマの使い方
アロマテラピーで使う精油ですが、香水ほど強い香りではなく、自分にだけほんのり香る、そんな香水的な使い方ができるんです。
もちろん、香水にも天然の精油が使われていますから、無水エタノールと精油で自分だけの香水を作ることも出来ます。
でも熟成させるのに1ヶ月くらいかかるのと、ブレンドが結構難しいので、今回は誰でも簡単にできる方法をご紹介しようと思います。
○○にたらす
それは、精油をブラジャーのカップにたらす、という方法なんです。
例えばラベンダーを1滴、ブラジャーのカップの外側にたらします。すぐに服を着ると精油がついてしまうことがあるので、空気にさらしてしっかり乾かして下さい。
そうすると、付けた時に自分の体温で精油が温められて、香りが上がってくるので、仕事をしながら、家事をしながら、自分だけの香水のように香りを楽しむことが出来るんです。
右にはラベンダー、左にはオレンジなど、2種類使うと香りのブレンドも楽しめてしまいます。
ティッシュにたらしてもOK
ただ、柑橘系の精油のように若干色がついている場合がありますから、白い下着だとシミが残ってしまうことがあります。
その場合は、ティシュにたらしたものを折畳んでカップと胸の間に入れておきます。それでも香りは十分楽しめますよ。
天然の香りはすぐに飛んでしまう
精油のいいところは、揮発性が高いためすぐに香りが飛んでしまうところ。つまり、どんどん香りが蒸発してしまうのでいつまでも香っていないんです。
柑橘系のアロマだったら数時間でかなり香りが弱くなりますね。だからこそ、香害になりにくい。
しかも、このつけ方だと自分には香りますけど、周りにはほとんど香りません。香水と違って迷惑になりにくいんですよ。
香りの好みは個人差が大きいもの
万人受けする香りって、残念ながらないんですよ。オレンジとか柑橘系の香りは比較的受け入れられやすい香りですが、それでも好きじゃないと思う人はいます。
柔軟剤の香りも、今は「1日中香る」のが売りの商品が多く出てますけど、もしも隣の席の人が1日中自分の好きでない香りをまき散らしていたら、それはもう拷問です。
しかも、香りって好きか嫌いかに理由がないんですよ。それはなぜか、直接脳の奥、「大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)」というところに届くからなんです。
ここは、快不快や恐怖、記憶など本能的な感情などを司る部位で、香りが届くと即座に好きか嫌いかということを判断する場所なんです。
この感じ方は人によってそれぞれ違いますし、その好きか嫌いかに理由はないので、ダメなものはダメ。理性ではなくて感情で判断するからです。
だから、どんなに私が好きな香りでも、どんなに素晴らしい素材を使って作られた香水でも、受け入れられない人はいるわけです。
だからこそ、香らせ過ぎには注意です。せっかくのお気に入りの香水で、人を不快にさせたくはありませんものね。