賃貸の費用を計算するうえで欠かせないのが敷金や礼金ですが、これらは出来れば払いたくない、払うにしても最小限度で抑えたいというのが本音でしょう。
では、この敷金や礼金とはどのようなものなのでしょうか?
また払わないですむ方法はあるのでしょうか?
目次
敷金
敷金は元来、賃借人が家賃を滞納した時に充当するという観念でできたもので、首都圏では、賃貸住宅に入居するとき、家主に対して預けておくのが一般的です。
敷金はあくまでも預けておく金銭ですから、退去時に別段何もなければ返還すべきものとしてあります。
賃貸借契約が終了して明け渡す時には、家賃を滞納している場合や、入居者の負担で部屋を補修する必要がある場合には、その分を差し引かれた額が返金されます。
敷金は一般的には家賃の2ヶ月分ですが、1ヶ月や3ヶ月というところもある。 下記の住宅金融支援機構の賃貸住宅融資を利用して建てられた物件は3ヶ月です。
関西では一部の地域を除き、「保証金」という場合が多く、退去時には、ここから賃貸借中に傷んだ設備・仕様の償却費用として一定の割合を敷金から差し引いて返金する「敷引(しきびき)」が一般的です。
敷金の返還をめぐるトラブルは非常に多く、特に退去時の原状回復をめぐっての敷金精算などの問題が多い。 原状回復についてはガイドラインはあるものの、その解釈には曖昧なのがあります。
不要なトラブルを避けるには、契約時に敷金の使い道や原状回復費用の負担割合など契約内容を確認し、家主側としっかり取り決めを交わしておくことが必要でしょう。
また、賃貸契約書に敷金の使途についてあらかじめうたっているものもあります。その中には敷金を居住年数に応じて原状回復費に充当する割合を盛り込んである場合もありますので、契約前にしっかり読んで不明な点や納得いかない項目があれば話し合う必要もあるでしょう。
礼金
その由来は戦後の住宅難の時代に遡り、間借りの「お礼」という意味合いを持ち、その名残という説。
現在ではこの礼金という日本独特の慣習は、供給側(賃貸人・仲介業者)の一方的な理屈でつくられたものだと批判する者もいるが、残念?ながらしっかり定着しているのが現実です。
礼金は、賃貸借契約時に大家さんに対して支払われるもので、一般的には、返還されない性質のものです。
首都圏では家賃の2ヶ月が一般的ですが、1ヶ月やゼロの物件もあります。
以前は礼金ゼロの物件の多くは、住宅金融支援機構の賃貸住宅融資を利用して建てられた共同住宅等、限られた数でしたが現在では礼金無しをうたう物件がかなり増えました。
住宅金融支援機構の融資を受けた物件では、家主が入居者から更新料を含め、敷金3ヶ月相当額以外は受け取ることができません。
また、 特定優良賃貸住宅(特優賃)やUR賃貸住宅も礼金は不要。
しかし一般賃貸とは違いそれぞれに入居資格や概要が異なる。
特に特優賃は家賃補助等が受けられる場合があるので一考の価値ありかも。
一方、大手デベロッパーが、敷金・礼金ゼロをうたい文句に賃貸募集をする新築物件も増えています。
礼金ゼロは、駅から遠かろう・古かろうという定説は崩れつつあるのも否めません。
まとめ
礼金ゼロの物件は先述のように、住宅金融支援機構の融資物件や特優賃等を除き、一般の賃貸物件では、「礼金はいらない」という家主の意向でゼロや1ヶ月になるものがあります。
この場合は大家さんの親切心だけなら大いに歓迎すべきなのですが、どうしても駅から遠かったり、築年数が古い等、何らかのハンディを背負った物件で、入居者がなかなか決まらない場合に礼金等を落としてくるケースもあるので、基本的に礼金ゼロ物件は不動産屋さんの間ではあまり良いイメージはありませんでした。
こういう物件は、必ず現地へ足を運んで実際に物件や周辺環境を見るようにしましょう。
しかし、そうでない礼金ゼロ物件も近年増加の傾向にあるようです。
しかしながら首都圏ではまだまだ礼金2ヶ月が主流ですので、どうしても礼金を払いたくない人にとっては、物件の選択範囲はかなり狭くなるでしょう。
敷金はその性質的にゼロの物件はなかなかないといっていいでしょう。
築年数が古い物件で敷金が1ヶ月とかいうものはよくあります。
最初の契約金合計を抑えたいのであれば、敷金が安い物件を探してもいいが、先(契約時)に払うか後(退去時)に払うかの違いになりかねません。