「仲介手数料」という言葉を聞いたことありますか?
不動産屋さんでお部屋を借りるために賃貸契約を結んだことがある人は、借りるお部屋が決まって不動産屋さんからもらう費用計算書や請求書の中に書いてありますので目にした人は多いと思います。
お部屋を借りるには、よく聞く礼金や敷金の他にこの「仲介手数料」がかかります。
実はこの仲介手数料というものが不動産屋さんの報酬(売り上げ)になるのです。
目次
仲介手数料とは?
そもそも仲介手数料とは、不動産屋さんの主な収入源ですがその額は勝手に決めるわけにはいきません。
宅地建物取引業法(宅建業法)第46条により、宅地建物取引業者(不動産屋さん)が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受け取ることのできる報酬を以下のように定義しております。
「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。」
また、上記で述べている「報酬の額」は、宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額として国土交通省の告示に明記されております。
この文面は、不動産屋さんの店舗内に掲示することが義務付けられているので店内に額に入って仰々しく掲げてあるものを目にした方も多いのではないでしょうか。
さて、それによりますと不動産屋さんが貸主・借主から受け取れる報酬(仲介手数料)の合計額は、お部屋の一ヶ月の家賃に相当する金額×1.05倍(消費税含)と定められています。
また、依頼者(ここでいう貸主と借主)の一方から受けることのできる報酬の額は、当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の0.525倍に相当する金額以内とされています。
ここで疑問が出ると思いますが、上の定めによると仲介手数料は家賃の一か月分+消費税が上限で、貸主と借主から受け取れるとありますので、その負担はそれぞれ折半でいいんじゃないか?ということです。
しかし必ず折半でなければならないという縛りはありませんので、実際のケースでは仲介手数料は借主が全額負担(しかも上限いっぱい)しているのが現状です。
では貸主は負担無しかというと、そうではありません。 貸主からはもっぱら※広告宣伝費という名目で別途受け取る場合が多いです。
広告宣伝費については
「賃貸契約時の仲介手数料の仕組みと行方」で詳しく触れていますのでご参照ください。
また、前出の法の定めの説明の青字の部分の解釈は、依頼者の承諾を得なければ仲介手数料は家賃の半分以内ですよって言っています。
「ほらやっぱり折半でいいんじゃないか。」って言いたくなりますよね。
本来、仲介手数料を全額借主に負担させるには、借主に了解を取らねばなりません。
「私は知らない!!」という人も少なくないと思いますが、実は賃貸借契約の前に必ず行う「重要事項説明」を受けたときに署名・捺印をしたと思いますが、その上段あたりに申し訳なさそうに「この説明を受けたあと、仲介手数料として賃料の一ヶ月分を支払うことに同意します。」等と書いてありますので一度確認してみるといいでしょう。
ここでしっかり「借主の承諾」を得ていることになっちゃってます。
冒頭で不動産屋さんの主な収入源は仲介手数料だと書きましたが、仲介手数料の上限は法律によって決められています。
その反面、先にも出ましたが、広告料には上限は定められておりませんので、貸主との話し合いでどうにでもなる部分でもあります。
実際広告費を二か月分出すから早く入居者を付けてくださいって依頼する貸主もいて、その金額もまちまちです。
もういちど規定に戻ると、仲介手数料としてもらうことが出来るのは、賃料の一ヶ月相当額以内ということです。
ということは以内であれば自由に設定できるので、よく仲介手数料無料とか、○○%引きなどというキャンペーンを行う業者もありますのでうまくあたれば引っ越し代の節約にもなるでしょう。
※広告宣伝費に付きましては別の章で詳述しますのでお楽しみに。
貸主と直接契約すれば仲介手数料は発生しない
それでも仲介手数料を払いたくない場合は、貸主と直接契約することです。
貸主とは大家さんのことですが、ほとんどのケースで大家さんは不動産屋さんに媒介を依頼していますので大家さんと直接契約することは、大家さんが身内であるなど、よほど繋がりが強くないと難しいでしょう。
それはなぜでしょうか。
宅地建物取引業の免許がなくても賃貸借契約を結べるのは大家さんのみです。
しかし、大家さんは契約に関しては素人が多いですので、無用のトラブルを避ける為にも費用はかかってもプロに依頼するのです。
ただひとつ方法があるとすれば、不動産屋さんの自己所有物件を探すことです。
大家=不動産屋さんなので契約後のトラブルの心配もないし仲介手数料は発生しません。
ただ、あまり固執しますとお部屋探しの選択範囲を極端に狭くするのでほどほどにしたほうがいいでしょう。
もうひとつは先述しましたが、不動産屋さんのキャンペーンに乗っかることです。
今では仲介手数料無料~50%引きもざらですよね。
同じ物件で仲介手数料が安くなるんならそういった個々の業者の発信する情報を常に敏感にとらえられるようにしておくことでしょう。