【賃貸予備知識】不動産屋さんによって紹介物件が違う?

お部屋探しをする際に、別に知らなくてもいいんだけども知っておくと何かと便利なことって多々あります。

ここで紹介することは不動産屋さんのタイプや大家さんとの関係について説明します。

また不動産屋さんのことを仲介業者って呼んでいるのを聞いたことありますか?
この仲介業者についてもわかりやすく説明しますね。

このページを読むと、不動産屋さんに行くのが楽しくなるかもしれませんね!

不動産屋さんのタイプ

お部屋探しでいざ不動産屋さんへ足を運ぶとき、あなたは数あるお店の中からどんな基準で入るお店を決めるでしょうか?希望沿線のお店を片っ端から入ったのでは大変ですね。

まずは不動産屋さんのタイプを説明します。

  地場タイプ ターミナル駅タイプ
特徴 地域密着型。
沿線各駅前等に店舗を構え営業している。創業○十年と歴史の長いお店が多い。特徴としてはその駅周辺の大家さんとの付き合いも長く、物件を数多く管理する一方で営業範囲を外れると冷たくあしらわれたりする。
主要ターミナル駅周辺に店舗を構え、その多くがビルの階上のいわゆる空中店舗の仲介業者である。自社管理の物件が少ない分情報網で勝負している。最近はこの手のタイプのお店が地場にも出店し、大家さんに営業をかけて管理物件を多く獲得している。
営業範囲 スポット(その駅周辺)。
内見も徒歩で行ける範囲が多い。また、自転車も必須アイテムだ。
内見には自動車が欠かせない。車で行けるところなら全てが営業範囲。しかし車がなく、地図を持たされて放り出されるところもあるので事前に確認が必要。
お客さんの印象 怖い・冷たい
掘り出し物件がある。家庭的。 等
営業社員が若く、大勢いる。
ホストクラブみたい。熱心。親切。 等

不動産屋さんと大家さんの関係

もともと賃貸物件というのは大家さんが所有しているもので、不動産屋さんが大家さんの代わりにいろんな手続きをしてあげているわけだが、そういう関係になるには双方である契約を交わす必要があるのです。

一般媒介契約 依頼者は複数の不動産屋さんに重ねて媒介を依頼できる。
専任媒介契約 依頼者は複数の不動産屋さんに重ねて媒介を依頼できない。
しかし、依頼者自身が直接借り手を見つけることはできる。
専属専任媒介契約 依頼者は媒介を依頼した不動産屋さんが探した相手以外とは契約を締結できない。

(当サイトの言う不動産屋さんとは宅地建物取引業者として免許を取得している業者を言い、媒介とは仲介とも言い、宅地や建物の貸借の仲立ちをすることです。)

上の契約態様は売買の時と同じものですが、賃貸の場合は一番上の一般媒介契約が圧倒的に多いです。

専任契約を結ぶと、その物件はほぼ一社独占で募集できるのですが、貸主に対して募集活動等の報告義務が定期的に生じます。

すると、特に賃貸は管理物件数が多いのでなかなか義務履行が難しいのです。

不動産屋さんの管理物件を増やすということは、このように大家さんと直接媒介契約を締結した物件をたくさん集めるということです。

先に説明した地場タイプの不動産屋さんだと昔からこの関係が続いているものが多いということです。しかし、現在では新興の業者によって大家さんに積極的に営業をかけ、媒介契約を獲得する動きが盛んになっています。

まさに大家さんの奪い合いです。

当の大家さん側は、一般媒介なら複数の業者と契約できる上、その方が各社こぞって入居者募集をかけてくれるので、決して悪い話ではないのです。

大家さんの方も世代交代等で、昔からの繋がりにこだわらなくなり、むしろ部屋が空いた時にすぐ次のお客さんをつけてくれる力のある業者に好んで任せる方向になりつつあります。

業者がこぞって大家さんに営業をかける理由は、仲介手数料に関係しますが、このお話は後ほど・・・。

さて、こうして媒介契約を結んだ物件はいよいよ入居者の募集を開始します。

仲介業者ってなに?

入居者の募集に入る前に、ここで不動産屋さんが賃貸等の取引を行う場合の立場を簡単に説明します。

貸主 賃貸契約を直接交わすことができる。
代理 貸主から代理権を得た不動産屋さんが貸主に代わって賃貸契約を行う。
媒介(仲介) 貸主と借主の間に立って賃貸契約の仲立ちをする。

上の項目はよく募集図面の右下に書かれているので目にしたことがあるかもしれませんが、多くのケースは一番下の媒介(仲介)です。

貸主とは、大家さんと直接契約をするか、もしくは不動産屋さんが所有している物件ということになります。

前章の媒介契約物件は、不動産屋さんの取引態様は全て媒介(仲介)ということになります。

先程から何回も出ている、大家さんと直接媒介契約を結び、その物件の入居者募集を任された業者のことを物元(ぶつもと)あるいは元付(もとづけ)の業者といいます。

そして入居者募集の甲斐あってお客さんが付きました。
このようにお客さんが決まることを客付(きゃくづけ)できたといいます。

その後、契約を締結するとはじめて不動産屋さんは仲介手数料という報酬を受け取ることが出来ます。

この仲介手数料は基本的に賃料の一ヶ月分相当額ということになりますが、上の契約の場合、大家さんと直接媒介契約を結んでいる業者が直接お客さんをつけたので手数料は全額受け取ることができます。

しかし、一生懸命入居者の募集をしているにもかかわらずいっこうにお客さんが付かない場合もあります。

あまり部屋を空けておくと大家さんとの信頼関係も損ないかねません。

その時は、ほかの不動産屋さんにも働きかけて、広くお客さんを募集します。

その後その物件には他の不動産屋さんが連れて来たお客さんが契約しました。

さて、このときはお客さんを連れて来た業者が客付業者となり、大家さんとお客さん(借主)の間には2つの業者が入ることになります。

そうなるともうおわかりのように、契約締結時の仲介手数料は折半ということになります。

まあ、手数料の取り分についてはいろんなパターンがあるのですがここでは基本的な説明にとどめておきますが、業者がこぞって大家さんとの媒介契約をしたがる理由はこうした仲介手数料の取り分の問題もあるのです。

では不動産屋さんがどのような方法で入居者を募集しているのかを説明します。

賃貸物件の入居者募集の方法

前章で説明したように、物元の不動産屋さんが常に空室情報を広く公開していれば、お客さんはどこの不動産屋さんに行ってもその情報を得ることができるのですが、現実はなかなかそうはいきません。

仮に、媒介契約を結んだ物件が非常に条件が良く、お客さんがすぐ付いてしまうようなものであれば、わざわざ他の不動産屋さんに客付けを依頼しますか? しませんよね。

そんな良い物件なら自分のお店でお客さんを付ければ手数料を割ることもないし・・・。

お分かりでしょうか?
要は、このような物件は特定業者が囲い込んでしまい、外に情報を出さないのです。

このような行為が借りる側のお部屋探しを難しいものにしてしまっているんです。

じゃあ、この物件はどこに行ったら見れるの?

当然この不動産屋さんに行かないとめぐり合えません。

確かにこの不動産屋さんが独自で宣伝すればいいのですが、その宣伝広告が本来のお客さんの目に触れる割合はかなり低くなることは明らかです。

この件を詳しく説明する前に、一般的な賃貸募集の説明をしておきます。

大家さんと媒介契約を結んだ物件は、通常ですと広く入居者の募集をします。

その方法としては、※1アットホームや※2マイソク・※3レインズ登録、あるいは賃貸情報誌やインターネットを利用して情報を公開します。

そして、他の不動産屋さんにも広く客付け依頼をした物件のことを 「流通物件」といいます。

その反面先述のように他の不動産屋さんに客付けをさせない物件の存在があるのです。

借りる側には全く関係のないことですが、自社の管理物件を持たない仲介業者はこの「流通物件」しかお客さんに紹介できません。

しかし、この「流通物件」の中にも良い物件はたくさんありますので、仲介業者としてもほとんど不自由なくお客さんに物件紹介できるのです。

1アットホーム アットホーム(株)1967年設立の不動産総合情報サービス会社。
昭和42年より不動産会社に向け会員制で、最新の「流通物件」情報(募集図面)配布サービスを開始。
現在会員不動産会社数は首都圏で約52,000店を誇る。
一般媒体としては週刊「マイルーム」「マイルームガイド」、アットホームウェブが有名。
2マイソク (株)マイソク昭和44年設立。
アットホームとほぼ同じサービス。
3レインズ 業者間の不動産情報ネットワーク。
Real Estate Information Network Systemの頭文字を取って「REINS」と呼ぶ。
平成11年8月にインターネット稼動。
残念ながら今のところ一般閲覧不可(不動産業者のみ)。

アットホームやマイソクは、不動産屋さんに行くと間取り図面を見せてもらうことができるのでご存知だと思います。
 あの図面を作成し、週に2~3回配達される。
すべて「流通物件」なので、どの仲介業者でも紹介してもらえます。

管理会社の物件

ここで言う管理会社とは、マンション等の建物のメンテナンス等請け負いの業者のことではなく、賃貸物件の契約管理をしている会社のことをいいます。

先程のように、賃貸物件の出所として、大家さん直の物もあれば今から説明する管理会社から出ているものがあります。

例えば分譲マンションは、購入した人が自分で住む場合と、人に貸す(投資マンション)目的の場合があります。
あるいはリロケーションのように転勤等で期間限定で貸し出す場合。

いずれにしても、このような物件はマンション販売会社や、建設会社等の賃貸部門が一括して管理している場合が多いです。

このような会社は自社では積極的に客付けしないで、全て「流通物件」として賃貸物件一覧表を不動産屋さんに配布して、客付けを依頼します。

まとめ

不動産屋さんによって紹介物件が違うとは、不動産屋さんのタイプや担当者によるということです。

お店へ行って、紹介してくれる物件というのは、いままで説明してきたような経緯で募集されている物件と言うことですが、まず決定的に違うのが「流通物件」とそうでない物件です。

「流通物件」はほとんどどこのお店に行っても同じものを見せられます。
違うのは不動産屋さんの「やる気」と「経験」と言っても過言ではないでしょう。

地場の不動産屋さんのように、自社で管理する物件が多いところは、それらの紹介がが優先になりますのでなかなか他の流通物件を探してくれない場合もあります。

最近では地場進出の大手もこういった傾向があります。

その反面、特にターミナルに位置する仲介専門の業者は、自社物件が少ない分、流通物件の情報網がハンパではありません

経験がある担当者がつけば、驚くほど多くの物件を紹介してくれます。

管理会社物件などは、こちらから請求しないと一覧表をもらえないので、数ある管理会社をたくさん知っている不動産屋さんに行くべきです。

ほんとうにこだわって探すのなら、ターミナルと地場と両方当たってみるとその違いがわかります。

決め手は、良い不動産屋さんと経験豊富な担当者です。
(古い不動産屋さんだからといって経験豊富な担当者がいるとは限りません。)

お部屋探しをする際、賃貸業界のことをちょっと知っただけでも探し方が変わってくると思いませんか?

賃貸物件情報が皆さんの目に触れるまでにはいろんな立場の人(業者)がいろんな手続きを経ているのがお分かりになったと思います。

確かに探すのはお部屋であっても物件ありきではうまくいきません。

それらを扱うプロの不動産屋さんを探すことが近道であることは言うまでもなくあなたの頭に刷り込まれましたか?
いままでのお部屋探しのイメージを今から変えてくださいね。

何度でも言います。
「いいお部屋探しはいい不動産屋さんとの出会いから」

ライター紹介

shioG

投稿者プロフィール

【専門分野】芸能、不動産、保険、インターネット全般、ネットビジネス、SEO対策、ネットマーケティング他
※筆者の記事はすべて自身の経験に基づいた事実・見解を述べている。

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