医療保険で人気の先進医療特約は必要?それとも不要?

この10年くらいの間で「先進医療」と言う言葉はだいぶ浸透してきたかもしれません。
医療保険の加入を検討する人のほとんどが、今ではこの「先進医療」が付いているものを希望します。

先進医療と言えば、「がんなどの重い病気で保険のきかない治療をしたときの保障」と言うイメージを持っている方も多いと思います。

そんな先進医療ですが、本当に必要な保障なのかどうかを確認してみましょう。

先進医療特約とは?

先進医療特約とは、医療保険やがん保険に特約として付けることができるもので、先進医療の治療を受けた場合にその治療費が保障されると言うものです。

先進医療の治療費から、その治療を受けるためにかかった交通費や宿泊費を保障するものまで各保険会社によって内容は異なります。

先進医療とは?

先進医療については、厚生労働省のホームページで詳細を知ることができます。
そこには先進医療についてこう書かれています。

先進医療については、平成16年12月の厚生労働大臣と内閣府特命担当大臣(規制改革、産業再生機構)、行政改革担当、構造改革特区・地域再生担当との「基本的合意」に基づき、国民の安全性を確保し、患者負担の増大を防止するといった観点も踏まえつつ、国民の選択肢を拡げ、利便性を向上するという観点から、保険診療との併用を認めることとしたものです。

また、先進医療は、健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)において、「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」として、厚生労働大臣が定める「評価療養」の1つとされています。

具体的には、有効性及び安全性を確保する観点から、医療技術ごとに一定の施設基準を設定し、施設基準に該当する保険医療機関は届出により保険診療との併用ができることとしたものです。

なお、将来的な保険導入のための評価を行うものとして、未だ保険診療の対象に至らない先進的な医療技術等と保険診療との併用を認めたものであり、実施している保険医療機関から定期的に報告を求めることとしています。

厚生労働省ホームページより引用

簡単に言うと、健康保険の適用外の「先進医療」の治療費は全額自己負担になると言うことなんです。

具体的なイメージを厚生労働省のホームページに載っているイメージ図で見てみましょう。

このイメージ図で見ると、総額100万円の医療費のうち先進医療にかかった費用20万円は全額自己負担で、残りの80万円のうちの3割にあたる24万円は高額療養費制度の対象となります。

先進医療にはどんな治療方法があるのか?

現在、厚生労働省では「第2項先進医療【先進医療A】」として62種類の治療を先進医療と認めています。

先進医療は随時その数に増減があり、健康保険の適用になったり先進医療から外れたりしていますので確認が必要です。

また、先進医療を受けられる医療機関はどこでもいいと言う訳ではありません。
治療ができる環境や設備の整った医療機関で厚生労働省が定めているところでしか先進医療を受けることができません。

主に医療保険の検討の際に出てくる重粒子線治療や陽子線治療などは約200万円から300万円の自己負担が発生する先進医療として有名です。

このように大きな金額を見ると、「先進医療を付けておかないと怖いな・・・」と思うかもしれません。

しかし、多くの先進医療は約10万円ほどの治療がほとんどで、多額の費用がかかるケースはまだまだ少ないと言えます。

先進医療特約は必要?それとも不要?

先進医療については大体イメージできたでしょうか?
それでは、医療保険に先進医療特約は必要なのかどうか確認していきましょう。

先進医療特約は付けておいたほうがいい。

最初に結論から入らせていただきます。
先進医療特約は付けておいたほうがいいでしょう。

なぜかと言うと、それは圧倒的に保障に比べて保険料が安いからです。
月々100円前後の負担で最高で2000万円まで保障してくれる特約ですから、利用する確率は低くても、もし必要になったときに数百万円の自腹を切るかどうかを月々100円でカバーできるのであれば高くはないはずです。

20年続けても100円×20年で24,000円ですから、それで万が一のときに数百万円の自腹を切る必要がないとしたら「お守りがわり」に持っていてもいいと思います。

とは言え、大事なのは特約以外にも主契約である医療保険そのものです。
しっかりと保障内容の良い医療保険を選んで、そこに先進医療特約を付けることで本当に安心できる医療保険を選ぶことができます。

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