「自賠責保険」とは、自動車損害賠償責任保険・共済の略で、原動機付自転車(原付)を含む全ての自動車に加入が法律で義務付けられています。
自動車の運転をする人なら「知っていて当然」のことですが、自賠責に加入せずに原付に乗っている人いませんか?
そこで、知らないとマズイ、原付の自賠責保険についてわかりやすくまとめてみたいと思います。
目次
そもそも「自賠責」って何なの?
自賠責保険(以下、自賠責)は、万が一の交通事故の際に、対人賠償を目的として加入を義務付けられた保険・共済です。フォークリフトなどの小型特殊自動車(農耕作業用を除く)についても、公道を一度でも走行する場合には、自賠責への加入が必要になります。
自賠責の補償内容
自賠責の補償内容は対人賠償のみです。相手の車や物を壊した場合(対物賠償)や自分のケガなどは補償されません。被害者1名についての支払い限度額は以下の通りです。
- 死 亡:3000万円
- 傷 害:120万円
- 後遺障害:75~4000万円※等級による
自賠責に加入しないで運転すると・・・
自賠責に加入しないで原付を運転すると以下の2つの処分の両方が下されます。
- 1年以下の懲役または50万円以下の罰金(自賠法第86条の3)
- 違反点数6点(免許停止処分等:道路交通法第103条、第108条の33)
検査対象外自動車(125cc超250cc以下のバイク等)および原動機付自転車の場合、保険・共済標章(ステッカー)をナンバープレート(ナンバープレートに貼付できない場合には車両の前面)に貼付することが義務付けられています。
これに違反した場合、30万円以下の罰金が科せられます(自賠法第88条)。
原付の自賠責の保険料
保険料は契約期間が長いほど割安になります。継続漏れが起きないように、なるべく長い期間で契約するのがお勧めです。
契約期間 | 原動機付自転車(125cc以下) | |||
---|---|---|---|---|
本 土 | 本土離島 | 沖縄本島 | 沖縄離島 | |
60ヶ月 | 17,330円 | 5,350円 | 5,350円 | 5,350円 |
48ヶ月 | 14,890円 | 5,210円 | 5,210円 | 5,210円 |
36ヶ月 | 12,410円 | 5,070円 | 5,070円 | 5,070円 |
24ヶ月 | 9,870円 | 4,930円 | 4,930円 | 4,930円 |
12ヶ月 | 7,280円 | 4,790円 | 4,790円 | 4,790円 |
自賠責は、損害保険会社や共済協同組合、車やバイクの販売店、郵便局などで簡単に手続きが可能です。250cc以下のバイク(原付含む)は、一部コンビニやインターネットでも手続きが可能です。
もし、自賠責に加入していなくて事故を起こしたらどうなるの?
もし、自賠責に加入していなかったり、保険期間が切れていたりした場合、事故を起こしたら補償はどうなるのでしょうか?
もちろん賠償金は全額自腹
もし、自賠責に加入していなくて事故を起こした場合、相手のケガがひどく死亡してしまったりしたら、その賠償金は全額自分で支払わなければいけません。
数百万円、数千万円単位のお金となることが予想されますので、自分ひとりで支払うことはできずに、家族や親戚などに迷惑をかけることになります。
自賠責はないが、任意保険には加入している場合
家族の誰かの自動車保険に特約で「ファミリーバイク特約」などが付加されている場合など、自賠責には加入していないが任意保険には加入している場合はどうなるのでしょうか?
相手側の賠償金が1億円だった場合
任意保険に加入していれば、対人賠償は無制限になっているはずです。ですから、賠償金が1億円だったとしても「ファミリーバイク特約が付いているから大丈夫」と思うかもしれません。
保険会社からは相手側に対人賠償保険から1億円が支払われる可能性が高いでしょう。しかし問題はここからです。
任意保険は「自賠責で足りない部分を補償するもの」ですから、自賠責で補償されるべき限度額の3000万円は補償してくれません。
保険会社は相手方に、一旦1億円を支払った後、あなたに3000万円の支払いを求めてきます。これは避けられません。
そうならないためにも、自賠責への加入は必要なんです。
期限切れにも注意しましょう
自賠責は保険期間が決まっています。短い期間で契約した場合には機嫌が切れていないか注意しましょう。
万が一のとき、しっかりと補償が受けられるように満期管理はしっかりとしておきましょう。