育児に家事、そして仕事。ママは一人でがんばり過ぎだと思います。こんなにも一人で負担しないといけないなら、結婚も出産もしたくない、一人が楽、と思う女性が増えても仕方がないかなという気もしてきます。
うちの長女(中3)も、「どうして女の人ばっかり、いろんなことを制限されないといけないの?子どもが出来たら仕事も自由にできなくなっちゃうの?結婚なんかしたくないよ!」と吠えています。
でも、そんな負担を強いているのは、もしかしたら自分自身かもしれません。ママだって、もっと楽に、楽しく生きる方法があるんじゃないかな?3人の子どもを育てながら、ずっと仕事をしてきた私からの「上手に手を抜いて少しでも楽に生きていく」ためのご提案です。
目次
すべてを完璧にこなそうと思わないこと
長女を産んでから最初に仕事復帰した時に、仕事と家事と育児を両立させようと必死でした。全部を完璧にこなそうと思っていたんですね。そんなことできるわけがないのに。
辛い時は辛いと言う
仕事に復帰したときの席次が「筆頭主査」だったので、自分の仕事以外にも、会議に出たり、係内の色々なとりまとめをしたり、管理をする仕事が増えていました。ところが、これまでのように好きなように残業することは出来ません。
どんなに仕事が合っても定時には上がらなくてはならず、保育園のお迎えに行かないといけない。それでも「残業しなくていいよね(=仕事楽でいいよね)」と思われたくなくて、目に見える形で自分の仕事を増やしていました。
だから、自分で思っていたよりもずっと疲れていたみたいです。でも、そんなことかっこ悪くていえないと思っていました。時間がなくて、余裕がなくて、毎日ずっとイライラしていました。「こんなはずじゃない」っていう気持ちをどこかに抱えながら。
口に出すと楽になることもある
復帰から半年くらい経って、娘とご飯を食べていたら、何だかモーレツに疲れてきてしまったんですね。それで娘に「お母さん、疲れたの」って言ったら、娘が「よし、よし♪」って頭をなでてくれたんです。
そしたら何かが弾けてしまって、ドーッと涙があふれてきました。娘はまだ2歳にもなっていなかったんですが、そんな私をずっと「よし、よし」ってなでてくれました。
思いっきり泣いて、疲れたって声に出したら、なんかすごくスッキリしたんです。
辛い時は辛いっていう。自分の感情を認める。これはとても大切なことだと思います。
毎日のように愚痴ったり、文句ばっかり言っているのは、自分に対してネガティブな言葉を浴びせかけることになるのでおすすめしませんが、感情に蓋をしてはいけないんですね。
人間だもの、イライラすることも疲れることもある。それを放置しないで、辛い時は辛いと認める。疲れてるんだよねって自分をきちんといたわってあげることを忘れないで欲しいと思います。
お金で解決できることもある
たとえば家事ですが、毎日帰宅するのが夜なんですから、そこから出来ることは限られています。最低限、料理、洗濯などはしますけど、子どもたちをお風呂に入れて、寝かしつけてというドタバタでもうへとへとです。
パパの帰宅が早ければまだいいですが、うちは平日は母子家庭状態ですから、何も期待できません。すべて一人でこなさないといけないんです。
そんな時は掃除はハウスクリーニングに頼むなど、お金で解決できることもあると思います。下手すると、週末が掃除で終わるということにもなりかねないので、人に頼んでその間リフレッシュできるなら、その方がストレスが溜まらなくて自分にとっても家族にとってもいいのではないでしょうか。
買ってきたお惣菜でもいいじゃない
長女の時に育児に疲れきっていたのは、ご飯はなるべく手作りじゃないといけない、という思いがあったからだと思います。
私自身が、自分の作れるものをわざわざスーパーで買うということに抵抗があったというのもあるんですけど、結局これも「ちゃんと子育てをしている」と思われたいという見栄が自分の中にあったんじゃないかとも思います。
時には買ってきたもので済ませてもいいと思います。せっかくの手料理も疲れきってイライラしながら食べたのでは美味しくないですよね。買ってきたものだって楽しく食べられたら、その方が子どもだって嬉しいに違いありません。
仕事のことは周りともきちんと相談する
公務員はみんな定時で上がって楽をしていると思っている人がいまだにいるようですが、私が仕事をしていた係では、残業が月に100時間を超えている人ばかりでした。
私自身も残業は出来ないのに仕事はたっぷり。でも、仕事の締め切りもある。残業できません、では言い訳にならない。
そこで、夜残業できないなら、朝仕事をしようと思って、保育園の送りはパパにお願いし、朝7時頃から出勤して仕事をすることにしました。
それなら9時の始業時間まで2時間仕事ができます。超勤がつかない理不尽さはさておき、仕事を片付けなければいけないので、苦肉の策でした。
一人でがんばろうとしない
そうしたら、部下たちもみんな早朝出勤するようになったんです。朝の方が電話が来ないし、静かな環境で集中して仕事ができると。
そこで、今自分が持っている仕事、なんで溜まっているのか、もっと効率を上げる方法はないのか、そんなことも話し合うようになりました。
そして様々な対策を立てることで、半年後には残業をかなり減らすことが出来ました。私も早朝出勤しなくて済むようになったんです。
仕事のことはやはり関係する人で相談すればいい解決策が見つかるんだなと思いました。一人で悶々と仕事を抱えているよりも、出来ることと出来ないことを整理して、どうすれば問題を解決できるかということをきちんと話し合うことは大事だと思います。
夫にもっと手伝ってもらう方法
共働きの家庭では、夫の協力は必須です。が、この「協力」って言葉はなんだか他人事みたいで好きではないので、分担と言った方がいいでしょうか。
協力というと、主体は妻で、夫が手伝ってあげてるみたいですよね。その「手伝う」という感覚からして間違っていると心の中で思いつつ、「手伝ってね♪」と上手にお願いすることが大事ですよ。
夫が家事や育児に積極的になれば、その分自分が楽になりますからね。
察してよ、は無理
男性に「私の気持ちを察してよ」と期待するのはやめましょう。無理です。妻の大変さなど、察することは出来ません。
どうしてこんなこともわからないのよ!とイライラすることもあると思いますが、それはイライラする方がいけないんです。だって、わからないんですから。
男性と女性は火星人と金星人くらいに違う生き物だと思わないといけません。言葉ではっきり言わないと「察する」なんてことは出来ないと思っておいた方がいいです。
具体的にお願いする
家事をお願いする時は、具体的に、丁寧にお願いしましょう。「このぐらいできて当然でしょ、なんでわからないの」なんて思わないことです。家事を自分でする習慣のなかった人に、説明もナシに自分が要求するレベルまで到達して欲しいと思う方が無理なんです。
「悪いんだけど、そこの洗濯物をたたんでタンスにしまってもらっていいかな?」
→たたんで、だけだとしまってくれません。
「パパと一緒に入りたいって言ってるから、今のうち子どもをお風呂に入れてもらっていい?」
など、丁寧にお願いすることです。
自分がいわれた時のことを考えれば当然ですね。家事は分担して当たり前という気持ちがあったとしても、「やって当然でしょ」という上から目線で物をいわれたら、素直に動けなくなってしまいます。
そしてきちんと感謝する
家事を手伝ってくれたら感謝の言葉も忘れずに。「ありがとう、助かったわ」といわれれば、悪い気はしませんよね。
私に感謝なんてしないじゃない、という思いはこの際横に置いて、頼んだことを実行してくれたのなら、それにはきちんと感謝しましょう。
たとえ、洗濯物の干し方がぐちゃぐちゃでも、皿の洗い方がなってなくても、文句を言ってはいけません。「やってくれた」という事実に対してお礼を言うことが大事なんですから。
子ども関係のおつきあい
さて、子どもが大きくなるにつれて、子ども関係の付き合いも増えてきます。ママにはこれも負担になってきますが、ここは上手に割り切って、いかに楽をするかを考えた方がいいと思います。
ママ友との付き合いは割り切ること
ママ友とのおつきあいの仕方で悩んでいる人も多いですね。そもそもこの「ママ友」という言葉がいけない。ママ友とは、自分の子どもの友達のお母さんであって、自分の友達ではないんです。
だから、最初から友達付き合いしないといけないわけじゃないんですよ。女性はどうしても群れる傾向があるので、ママ友の付き合いに参加しないと何か言われるんじゃないかと、無理してつき合うから疲れるんです。
たしかに、影であれこれいうような人はいます。でも、そういう人は、どこへ行っても一定数必ずいるんです。いなくなることはありません。
一人の大人として、この人ともっと話したいなと思えるような人と友達になればストレスも溜まりません。無理してつき合わなければ仲良く出来ない人よりも、ダメな時は断っても大丈夫な間柄の方が、付き合いは長く続きますしね。
保育園を卒園すれば、小学校を卒業すれば会わなくなる人がほとんどなのですから、もうそこは割り切って、イヤな付き合いならしない。それでいいと思います。
PTAはどうする?
小学校に入るとPTAなどのおつきあいも出てきて、さらに面倒になります。私も長女の時は、こういうところに参加しないと学校の様子もわからないし、働いてるからって委員をやらないと文句を言われたくないなと思って、休暇も少なかったのになり手のなかった委員を引き受けました。
やっぱり大変でした。しょっちゅう平日に学校に行かなくてはならず、子どもの病気で少なくなっていた休暇がどんどん減っていきました。
その年の後半は本当に休暇が少なくなってしまって、このままでは今度子どもが熱を出すと欠勤になってしまう、という状態で、わざわざ休日出勤をして代休をもらうということまでするはめに。
無償のボランティア活動になぜここまで労力をかけないといけないのか・・・。おかしい。
そんな私の大変さは、周りの人にはあまり理解されず、「半休とればいいんじゃない?」なんて軽く言われると、いや、忙しい時に半休とるのがどんだけ大変かわからんかな、と腹を立てることもありました。
PTAをやめることにした
そんなこんなで私が出した結論は「PTAをやめる」ということ。みなさん、知らない人もいるんですが、公立学校のPTAは任意団体ですから、加入を強制されるようなものではありません。
そもそも「加入するかしないか」を最初に聞くべきなんです。それがなぜか入学と同時に勝手に加入させられていて、役員はどれをやりますかと強制的に役割が回ってくるようになっています。このシステム自体が納得がいきませんでした。何の権利があって勝手に加入させられた上に、役員まで矯正されるのか。
だから、やめることにしたんです。
やめて何か不都合が合ったかというと、今のところ特にありません。中学生の娘が担任にPTA会費についてイヤミを言われるということがありましたが、それについては文書で抗議をしました。
今のPTA活動は、「平日の日中に時間が取れる人」しか出来ないものが多く、パパも参加できませんよね。働くママが増えてきた現代では、時代に即していない団体です。
でも、PTAをやめたら他のママたちに何か言われるのではと思う人は、大変な思いをしながらPTA活動に参加するか、何か言われても自分の生活を優先するか、どちらが自分にとって大事かということを考えてみればいいと思います。私は後者を選びました。
忙しくても子どもや学校と関わりたいという思いのママもいるでしょうし、どうにも大変で何とかしたいと思うなら、やめるという選択肢もあるということです。
自分の人生は自分で決めて自分で生きる
仕事をしないで家にいたら、こんなに時間がないと悩むこともないのかもしれません。今は家で仕事をしているので、通勤時間がないだけで、忙しいことには変わりありませんから、それがいやなら仕事をしないという選択肢ももちろんあります。
あまりに大変で、両立できないからと仕事を辞めてしまうママも実際たくさんいます。私の周りでも、一人目はがんばったけど、二人目が生まれたらもう無理、といって仕事を辞めた人もいます。
いずれにしても、自分で決めるということが大事ですね。決める時には、決して子どもを理由にしないこと。
あなたのために働いているとか、あなたのために仕事を辞めたとか、自分の意思決定を子どものせいにしないことです。子どもからしたら「そんなこと頼んでない」と思いますよ、きっと。
子育てしながら仕事を続けるのはほんとに大変です。何もかも投げ出したくなる時もあります。でも、一人で抱え込まないで、出来ることと出来ないことをしっかり分けていけば、もっと楽に生きていけるはずです。
少しでも上手に効率的に動く方法を考えながら、子育ても仕事も、人生をもっと楽しんでいけたらいいですよね。