ふと気づいたら今まで見たことのない象のような足に愕然…という妊婦さんも多いのでは。妊娠中はどうしても足がむくみやすいのです。
少しむくんでるかな?という程度ならむくみ自体は妊婦さんにはよくあることなのでそれほど心配はいりません。ただ、すねを押しても押したところが戻ってこない、などの症状があるときは少し心配ですね。
即赤ちゃんに影響が出るわけではありませんが、むくみが出ているかなと思ったら早めに解消するようにしたいものです。
私も2人目、3人目の妊娠の時はむくみが出辛かったです!妊娠中のつらい足のむくみを解消する方法をその原因とともにご紹介しますので、すぐに出来るものから試してみてください!
目次
妊娠すると足がむくむ原因は?
妊娠すると赤ちゃんを育てるために血液もどんどん増えていきます。妊娠後期に入ると、40~50%も血液量が増えるんです。
血液が増えるということは水分である血漿(けっしょう)も3割程度増えます。そして女性ホルモンのエストロゲンの作用で、その水分を体の中に溜め込もうとするのでむくみやすくなるのです。
- 冷え性の人
- 運動不足の人
- 高齢出産(35歳上)
- 靴や服がきつい(サイズがあっていない)
- 腎機能が低下している
- 立ち仕事またはデスクワークが多い人
などに該当する人が足がむくみやすくなります。
妊娠中の足のむくみを解消する16の方法
食事の方法からエクササイズまで、むくみを解消する方法をたっぷりとご紹介します。ご自身の体調に合わせて試してみて下さい。
1.身体を締め付けない楽な服を着ること
妊娠してお腹がどんどん大きくなってくると、鼠径部(脚の付け根)が子宮の重みで圧迫されることにより、下半身の血流が悪くなります。そのせいで足がむくみやすくなります。
ただでさえ血流が悪くなっているところにきつい服を着てしまうと、さらにむくみがひどくなってしまいます。足だけでなく、手がむくむこともありますよ。
特に妊娠後期は、オシャレよりも「楽」を優先した服選びをしましょう。
バストやヒップのサイズも普段よりワンサイズ大きくなりますから、下着も大きめのものを着る、靴下もゆるめのものを履くなどして身体を締め付けない服を着ることでむくみが楽になります。
2.利尿作用の高いお茶を飲むこと
妊娠中は水分補給が欠かせませんが、余分な水分が排出できない状態がむくみですから、利尿作用の高いお茶を飲んで、不要な水分はどんどん出してしまいましょう。
妊娠中はカフェインを摂りたくないので、ノンカフェインのお茶を飲みましょう。利尿作用の高いものとしては、
- 杜仲茶
- ルイボスティー
- どくだみ茶
- 黒豆茶
- ごぼう茶
- タンポポ茶
などがおすすめです。
コーヒーも利尿作用はあるのですがカフェインが心配なので、どうしても飲みたいときはカフェインレスのものにするか、タンポポコーヒーなどがおすすめですよ。
3.寝るときは足を少し高くすること
お腹が大きくなってくると寝返りを打つのも一苦労で、腰も痛くなるし寝づらいですね。これにむくみが加わるとふくらはぎまでパンパンで痛くなって大変です。
寝るときは少しだけ足を高くして寝ると楽になりますよ。ただし、高くしすぎると鼠径部が圧迫されてむくみを助長してしまうことと、腰痛が出る場合もあるので、10~15cmくらい高くするのが適当です。
座布団やバスタオルなどで、心地よい高さを見つけてみて下さい。
4.弾性ストッキングをはくこと
妊婦用の弾性ストッキング(着圧ストッキング)を履くことで、歩きながらむくみを解消できます。足の先から太ももまで適度な圧がかかっているので、ふくらはぎのポンプ作用をサポートしてくれます。
下肢静脈瘤の予防にもなるので、むくみ具合によっては医師から勧められることも。医療用の弾性ストッキングもあるので、病院で相談してみるのもいいでしょう。
ただし、むくんでいるからといって24時間履き続けないこと!昼間履いたら夜は休むなどして足を休ませる時間も必要です。
そして大事なのは自分のサイズにあったものを正しく履くことです。
5.身体が冷えないようにすること
全身の血行が悪くなるとむくみやすくなるので、妊婦に冷えは大敵です。夏でも1日中エアコンの効いた部屋にいると下半身が思い切り冷えてしまうので、季節を問わず冷え対策が必要です。
仕事中は膝掛けなどをしてエアコンの冷気から下半身を守るとともに、時々部屋から出るなどして適度に汗をかくことも大切です。
冬は素足で靴を履いたりせず靴下を履く、スカートよりはパンツを履くなどして、特に下半身を冷やさない服装を心がけます。
冷たいものの摂り過ぎにも注意して下さい。水分を摂るなら温かいお茶か白湯などがおすすめです。冬にトマトやきゅうりなどの夏野菜を食べるのも身体を冷やしますので、これらを食べるときは加熱して食べるといいでしょう。
6.足湯(フットバス)で下半身を温めること
手軽に足の血流を良くする方法としては、足湯がおすすめです。フットバス用の深い桶があれば一番良いのですが、洗面器でも十分です。
少し熱めのお湯(40~42度くらい)を入れて、椅子に座って足をお湯に浸しましょう。このときアロマオイルなどを使うと、よりリラックスして血行を促進してくれます。
妊娠中でも使えるアロマオイルのおすすめとしては、
- マンダリン
- オレンジスイート
- パルマローザ
- ティーツリー
などがあります。洗面器に2滴ほどたらして足浴を楽しんでみて下さい。下半身全体の血流も良くなり、むくみの解消に役立ちます。
7.半身浴で全身を温めること
時間があるときは半身浴をして体全体を温めましょう。血行を良くすることで寝つきも良くなり、疲労回復にもつながります。寝る1時間前くらいに入るのがおすすめです。
ダイエットをしているわけではないので、大量の汗をかく必要もありませんから、むくみの解消のためには身体が温まってうっすら汗ばむくらいでちょうどいいのです。
8.適切な水分量を摂ること
妊娠中の水分量は少なくても多すぎてもダメなのです。目安としては、普通の状態で1日2リットルの水が必要だとして、その10~30%増しくらいでちょうど良いです。
そしてむくまないための飲み方にもコツがあります。1度にたくさん飲むのではなく、こまめに飲むようにしましょう。1回の量はコップ1杯(200ml)くらい、それも一度に飲まずにゆっくり飲むようにします。
1度にたくさん飲むと胃液を薄めてしまうので胃腸に負担がかかり食べ物の消化も悪くなります。
9.カリウムを摂取すること
むくみの解消に必要な栄養素、それがカリウムです。カリウムは果物や野菜に多く含まれていますので、その一例をご紹介します。
カリウムを多く含む果物
- アボカド
- キウイ
- バナナ
- リンゴ
- いちご
- 桃
- オレンジ
- グレープフルーツ
- スイカ
- メロン
など。
果物は水分も豊富で、食欲がない時にもおすすめですが、アボカドやバナナなどはカロリーも高めなので、1個食べたらご飯を少し減らすなどして食べ過ぎには注意です。
カリウムを多く含む野菜
- パセリ
- 納豆
- ほうれん草
- モロヘイヤ
- 里芋
- 大豆(茹で)
など。
カリウムは煮ると約30%も栄養素が失われてしまうので、スープなどに入れて汁ごと飲めるようにすると余すことなく摂れるでしょう。
10.塩分を控えること
塩分の多い食事をしているとカリウムがどんどん不足してむくみやすくなるので、妊娠後期になったら塩を使わないくらいの食事でもちょうどいいかもしれません。
塩分を摂り過ぎて細胞外のナトリウム量が増えると、細胞内のカリウムとのバランスを取ろうとして身体に水分を溜め込みます。これがむくみの原因になるのです。
1日の塩分量は7~8gまでとされていますが、むくみが出ている方は塩分には特に注意しましょう。
塩分を控えるコツとしては、
- レモン汁をかける
- 醤油の代わりにポン酢を使う
- 生姜やネギなどの香味野菜を使う
- 汁物は出汁をしっかりとって旨味を味わう
- 加工品(ウインナー、ベーコン、練り物など)は塩分が高いので食べない
などの調理の工夫があります。
また、熱いものは熱いうちに食べることです。冷めると塩気が少なく感じるので、適温で食べることで薄味でも美味しくいただけます。
11.リンパマッサージをすること
足がむくんでリンパの流れが滞っていると、足がどんどんむくんでしまいます。
ところがリンパ液は血液と違って心臓というポンプがありませんから、歩くか運動するか、またはマッサージするかしてあげないと自分で流れることが出来ません。
そこで寝る前のむくみ解消リンパマッサージです。何も難しいことはありません。ふくらはぎを下から上に向かって、優しくさすり上げて下さい。お腹が大きくて自分でやるのが難しい場合にはご家族に手伝ってもらうといいですね。
リンパは力を入れてぐいぐいマッサージをする必要はないので、妊婦さんでも手が届けば楽に出来ます。
ふくらはぎを下からさすりあげたら、膝の後ろを痛くない程度に刺激します。膝の後ろにはリンパ節があり、ここをしっかりほぐすことで老廃物が排出されやすくなります。
お風呂の後など、血行が良くなっている時に行うと効果的です。
12.適度な運動/エクササイズをすること
運動不足も足がむくむ原因になります。お腹の張りなど心配がなければ積極的に散歩などをして身体を動かしましょう。
または簡単なエクササイズもおすすめです。
- 椅子に座り、片足を膝が真っ直ぐになるまでゆっくりとあげます。
- ゆっくりとおろしたらもう片方の足も同様に。
ふくらはぎの筋肉を意識してやってみてください。
足をあげるのが辛い場合には、片足を前方に伸ばし、足先を上下に動かすだけでもふくらはぎの筋肉が動くと思います。
妊娠の経過も順調で体調も良い場合は、マタニティヨガやマタニティスイミングなどにチャレンジしてみるのもいいですね。
運動は大事ですが、くれぐれも疲れないように。疲労はむくみを助長してしまいますから、気持ちがいい程度のところでやめておきましょう。
13.十分な休養をとること
妊娠中は体重が増加するだけでも動きにくくて疲れます。まして仕事をしていたり、上の子がいたりするとゆっくり休む時間もなく、妊娠していること自体が重労働です。
疲労がたまると体内の水分をうまく排出することが出来ずにむくみの原因になってしまうので、疲れたらとにかく休むことが大切です。
ところが妊娠後期になると胎動も激しく、子宮が大きくなって膀胱が圧迫され,、トイレも近くなるので熟睡できない方も多いですね。
疲労を解消することでむくみの解消にもつながります。クエン酸が豊富なハイビスカスのお茶やレモン果汁なども疲労回復におすすめです。
14.同じ姿勢を続けないこと
座りっぱなし、または立ちっぱなしなど、同じ姿勢を長時間続けていると、重力で血液やリンパ液が下に下がってしまい、足がむくむ原因になります。
これは妊娠していなくても同じことなので、普段からむくみやすい人は特に注意して下さい。
体調が悪くない限り、散歩をしたり、適度な家事をしたり、または疲れたら横になるなどして適度に動くことで血流が良くなり、むくみを解消することが出来ます。
15.お灸で身体を温めること
今自宅でお灸をする女性が増えています。お灸はツボを温めることによって全身の血行を良くする温熱療法。妊娠中でも出来るのが嬉しいですね。
妊娠中の足のむくみにおすすめのツボがあります。
三陰交(さんいんこう)
足首の内側にある冷えを取るツボです。3つの陰の経絡(けいらく)が交わることから三陰交と呼ばれています。
内くるぶしから指4本分上に上がったところにあります。消化器系の不調にも良いとされています。
足三里(あしさんり)
膝のお皿の下のくぼみから指4本分下がって、すねの骨の外側にあるツボです。足の疲労だけでなく全身の疲労に良いとされています。
また、胃の調子も整えるので、妊娠後期の食欲のない時にも良いツボです。
お灸は火を使わないタイプ、シールで貼るだけのタイプなど、自分で出来るものがドラッグストアなどでも購入できます。また、最近では香りつきのものあり、むくみを解消すると同時にリラックス効果も期待できます。
16.漢方を使って身体を温めること
東洋のメディカルハーブ、漢方を使ってむくみを解消するのはいかがでしょうか。冷えやむくみに良いとされている漢方をご紹介しますね。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
むくみや冷えに良いとされている漢方です。血行も良くして妊娠中の体調も整えます。
柴苓湯(さいれいとう)
これもむくみによいとされている漢方です。吐き気や食欲不振にも良いそうです。
ただし、漢方は主治医とよく相談して使うようにして下さい。健康食品ではなく薬ですので、素人判断で使うのは危険です。
むくみを解消して快適な妊婦ライフを!
むくみはある意味妊娠中の自然な生理現象なのですが、放置しておいてよいものでもありません。体調と相談しながら、自分の出来る範囲で今回ご紹介したむくみ解消法を試してみて下さい。
お腹の赤ちゃんのためにも、お母さんがストレスなく、快適に過ごすのが一番です。