最近スーパーでもよく見かけるようになったアイスプラント。パックに入って売っているのを見たことがあるでしょうか?
ちょっと肉厚な葉で、そのまま食べるのか加熱して食べるのか、見た目からは想像しにくい野菜ですね。
プチプチとした食感がおいしいアイスプラントとはどんな野菜で、どのような栄養素が含まれているのか、美味しい食べ方などをご紹介します。
目次
アイスプラントってなに?どんな野菜なの?
見た目は正直言ってあまり「美味しそう!」と思えないアイスプラントですが、さっと洗ってそのまま食べられます。不思議な食感とほのかな塩味がくせになりますよ。マヨネーズをつけても美味しいかな。
ところであのプチプチの正体はなんでしょうか?
アイスプラントは塩分が高い土壌でも育つ野菜
アイスプラントはハマミズナ科の植物で、葉の表面に水滴のようなものがついているのが特徴です。水滴がついて凍っているように見えるので「アイスプラント」という名がつきました。
ただ、いつでもこのような見た目に育つわけではなく、普通に水分がある状態で育てると普通の「葉っぱ」になってしまうそうです。
つぶつぶがつく条件として、
- 乾燥している
- 塩分が強い土壌
が必要で、海水くらいの塩分濃度(3%以上)でも育つそうです。
塩害対策として研究されていた
アイスプラントはアフリカ、西アジア原産といわれる植物で、アフリカでは民間薬や石けんなどとしても使われています。
日本では元々塩害対策になるかどうかと佐賀大学で研究され始めたものがJAさがが栽培化を始め、2006年に市場に初登場します。
それから少しずつ全国に広がり始め、今ではだいぶポピュラーな存在になってきましたね。
表面のつぶつぶは細胞
乾燥と塩分の条件が揃うと、葉っぱに「ブラッダー細胞」と呼ばれる水泡状の細胞がでてきます。これがあのつぶつぶなんですね。
水耕栽培で作られる無農薬野菜
アイスプラントは基本的に水耕栽培で、ハウスで育てられるの安心安全の無農薬野菜なのです。だから「旬」がありません。1年中食べることが出来ます。
商品名として
- ツブリナ
- 潮菜(シオナ)
- プッチーナ
- クリスタルリーフ
- ソルトリーフ
- バラフ
- シーフィグ
- フィコイデュ
- グラシアル
などがありますが、これらもすべてアイスプラントです。各地で改良が盛んに行われているので、独自のブランド名をつけているところも多いんですよ。
生産農家によって塩分濃度が変わってくるのもおもしろいところです。
アイスプラントは土では栽培できない?
アイスプラントは地中のミネラルなどをどんどん吸い上げて、普通の植物では枯れてしまうような土壌でも育つことが出来る分、有害な重金属も一緒に吸い上げてしまうことから水耕栽培が向いているのです。
ただ、最近では水耕栽培だけでなく土を使った栽培も増えてきました。土の善し悪しが味を左右するので、いかに良い土を使っているかということがとても大切です。
アイスプラントの栄養価と健康効果
プチプチした食感の葉にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。
低カロリーでダイエット中でも嬉しい
アイスプラントのカロリーは100gで8kcalと、とても低いんです。そのまま食べるときも塩味を楽しむようにすればマヨネーズなどの調味料もいらず、ダイエット中でも安心して食べることが出来る野菜です。
生活習慣病の予防&ダイエットに
アイスプラントには他の野菜にはあまり含まれていないミオイノシトールとピニトールというイノシトールの一種が含まれています。
ミノイノシトールには中性脂肪を抑える働きがあるので、動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立ちます。
またピニトールは脂肪を溜め込みにくくする働きがあり、血糖値も下げてくれるので生活習慣病だけでなくダイエットにも適していますね。
ミネラルも豊富
アイスプラントにはカルシウム、ナトリウム、鉄分、亜鉛などミネラルも豊富なんです。特にカリウムは余分なナトリウムを排出してくれますから、むくみ予防に役立ちます。
肌荒れ改善に〜β-カロテン
緑黄色野菜でもあるアイスプラントはβ-カロテンも豊富で、ブロッコリーとほぼ同じくらいの量が含まれています。
β-カロテンは皮膚や粘膜を保護する働きがあり、不足すると肌のかさつきや肌荒れが起こります。肌トラブルの多い方は積極的に摂りたい栄養素です。
塩分は摂りすぎない?
アイスプラントには塩味があるといいますが、塩分の摂り過ぎにはならないのでしょうか。アイスプラントの塩分は100g当たり0.67gですから、サラダやおひたしで食べる分にはそれほど心配するような量ではありません。
アイスプラントの美味しい食べ方
アイスプラントを試してみたいけど、どうやって食べたらいい?と思っている方へ、保存法や美味しくて簡単なレシピなどをご紹介します。
買ってきたら乾燥を防ぐ!
育つときは乾燥に強いアイスプラントも、収穫後は乾燥に弱い野菜なので、買ってきたらパックのままではなく、ジッパーつきの袋などに移して野菜室で保存しましょう。
時間が経つとせっかくの食感が失われてきてしまうので、なるべく早く、4〜5日の間に食べきってしまいましょう。
ほのかな塩味が美味しい
アイスプラントは塩分を吸い上げて育っているので、食べるとほのかな塩味がします。さっと洗ってそのままでも食べられます。
サラダに加えて食べるときは、ドレッシングやマヨネーズは少なめでも大丈夫ですよ。
試してみよう!アイスプラントの簡単レシピ
生で食べるのが一番食感を楽しめますが、色々アレンジして食べてみませんか。アイスプラントは1枚1枚小分けにするよりも、小房くらいに大ぶりに分けた方が食感を楽しめますよ!
おひたしにして
食感が損なわれないように、さっと茹でておひたしとして食べるのもいいでしょう。お湯をくぐらせると緑も鮮やかになってとてもきれいです。お醤油以外にもポン酢や麺つゆでも美味しいですよ。鰹節やすりごまなどをたっぷりかけると香りも良くなります。
くれぐれも茹ですぎないように。アイスプラントは食感が命です。
アイスプラントの天ぷら
これも食感が大事なので、揚げる時間は1分くらいで十分です。焦がさないように気をつけて下さい。
アイスプラントに塩味がついているのでそのままで食べられます。
エビと一緒に生春巻き
さっとゆがいたエビと一緒に米粉の皮で巻いて生春巻きにしてみましょう。ほんのりした塩味はエビとの相性もピッタリです。
粉チーズでビールのおつまみ
さっと洗ってちぎったアイスプラントに、オリーブオイル、粉チーズ、黒こしょうをかけただけの簡単レシピ。ビールのおつまみにピッタリですよ。
魚介のマリネに加える
オリーブオイル、酢(またはレモン汁)、塩でマリネした白身魚の刺身やタコなどに、玉ねぎのスライスとアイスプラントを加えましょう。
見た目も鮮やかになり食べ応えもあるマリネになりますよ。
アイスプラントのしゃぶしゃぶ
さっとお湯にくぐらせて、お肉と一緒にしゃぶしゃぶで楽しむのもおすすめです。ポン酢などとも相性がよく、さっぱりいただけます。
そのままが飽きてしまったら
食感が楽しいアイスプラントですが、そのまま食べるのに飽きてしまったら、ちょっと形を変えて。スムージーに加えるのもおすすめです。
アイスプラントには苦味やくせがないので、スムージーにはとてもおすすめ。β-カロテンやミネラルもたっぷり摂れます。
アイスプラントを自分で育ててみよう!
アイスプラントは自分で育てることも出来ます。スーパーで買うとちょっと高いし…と思う方は、ぜひ自分で育ててみませんか。
種か苗を買うところから
アイスプラントは種もしくは苗から育てることが出来ます。園芸初心者の方は苗を購入した方が栽培は楽でしょう。
種は発芽率が50〜70%くらいなので、半分くらい育たない可能性もあります。蒔く時期は2〜3月、もしくは9月くらいです。冬は5度以下になってしまうと発芽しないので温度管理には気をつけましょう。
アイスプラントは土が大事
アイスプラントは土からミネラルなどを吸い上げる力が強いので、使い古した土などは使わずに、新鮮で養分たっぷりの土を使うようにしましょう。
水やりと温度管理
乾燥には強いので、土の表面が乾いたらたっぷりお水をあげます。このとき、水1リットルに対して6gの食塩を溶かした食塩水をあげましょう。
温度は5〜25度が生育に適しているので、真夏と真冬だけ気をつければ大丈夫でしょう。30度以上の日が続くと枯れてしまうことがあるので、真夏は室内で育てた方がいいですね。
収穫は?
種を蒔いてから2ヶ月くらいするとだいぶ育ってきます。脇芽が出てくるので、外側の葉からハサミでキレイに収穫していきましょう。
もっとアイスプラントを楽しもう!
塩味があってプチプチしているという変わった食感の野菜、というだけでなく、栄養価も豊富でしかもカロリーが低い!
さっと洗って食べられる手軽さもあり、簡単にミネラルやビタミンなどの栄養補給できる野菜です。
まだ食べたことがない、という方はスーパーで見かけたらぜひ1度食べてみて下さい。