大地震や洪水などの大災害に被災された地域で、災害救助法が適用された地域では、生命保険や損害保険は保険料の払込みなど様々な特別措置が取られます。
実際に大災害に被災されてしまうと、自身が加入している保険の証券がなくなったり、保障(補償)内容がわからなくなったりするものです。
しかし、もし災害救助法が適用されれば保険の手続き等に慌てることもなく、安心して避難や生活復旧ができますので、是非ここで覚えておきましょう。
目次
災害救助法の適用条件
災害救助法は、災害に際して、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害にかかった者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的に定められました。
災害救助法の適用基準と運用
災害救助法による救助は、都道府県知事が行い(法定受託事務)、市町村長がこれを補助する。なお、必要な場合は、救助の実施に関する事務の一部を市町村長が行うこととすることができる。
引用元: 内閣府『災害救助法の概要』
災害救助法による救助は、災害により市町村の人口に応じた一定数以上の住家の滅失がある場合に、内閣総理大臣が定める基準に従って、都道府県知事が定めるところにより現物で行なわれます。
救助の種類には以下のものがあります。
- 避難所、応急仮設住宅の設置
- 食品、飲料水の給与
- 被服、寝具等の給与
- 医療、助産
- 被災者の救出
- 住宅の応急修理
- 学用品の給与
- 埋葬
- 死体の捜索及び処理
- 住居又はその周辺の土石等の障害物の除去
災害救助法が適用された際の生命保険、損害保険の特別措置
大災害が起こり、その地域に災害救助法が適用されると生命保険と損害保険には特別措置が取られます。
生命保険の特別措置
生命保険協会では、災害救助法が適用された地域にお住まいの生命保険契約者に対して、主に以下の2つの特別措置を行います。
1. 保険料払込猶予の延長
保険契約者からの申し出により、保険料の払込みについて、猶予する期間を最長6ヵ月延長します。
一般的には、保険料の払込みが2ヶ月滞った場合、保険契約は失効してしまうのですが、災害救助法が適用された場合には6ヶ月延長されることになります。
ですから、その間に自身の保険内容を確認したり、保険会社に契約内容の確認を必ずしておきましょう。
2. 保険金・給付金、契約者貸付金等の簡易迅速な支払い
契約者等の申し出により、必要書類を一部省略するなどして簡易迅速な手続きができるようにします。
詳しくは、以下のサイトで各保険会社のカスタマーサービス等の連絡先を確認することができます。
参考:一般社団法人生命保険協会『会員会社一覧(加盟会社一覧)』
また、生命保険協会は、災害救助法が適用された地域において被災された保険契約者等について、家屋等の流失・焼失等により生命保険契約に関する手掛かりを失い、保険金の請求を行うことが困難な場合等において、生命保険契約の有無のご照会(災害地域生保契約照会制度)にも応じています。
フリーダイヤル 0120-001731
【受付時間】月~金曜日(祝日を除く) 9:00~17:00
※なお、利用対象者は、原則としてご照会対象者(被災された方)のご家族(配偶者、親、子、兄弟姉妹)ですので注意が必要です。
損害保険の特別措置
損害保険協会では、災害救助法が適用された地域にお住まいの損害保険契約者に対して、主に以下の3つの特別措置を行います。
1. 継続契約の締結手続き猶予
継続契約の締結手続きについて、最長6ヶ月間猶予します。
実際に被災された人は自動車保険や火災保険の継続(更改)手続きをしている暇がない場合があります。そう言った場合でも、6ヶ月間の猶予があることで余裕を持って手続きすることができます。
2. 保険料の払い込み猶予
保険料の払い込みについて、最長6ヶ月間猶予します。
被災されて仕事ができなくなり収入が途絶えた場合でも、6ヶ月の猶予があることで保険料払い込みのための資金繰りをする時間を作ることができます。
3. その他の猶予や優遇措置、相談窓口の開設
その他に、積立保険の貸付金利を優遇したり、自賠責保険の手続きや払込みなどの猶予もされます。
災害救助法が適用された地域で、家屋等の消失等により損害保険会社との保険契約に関する手掛かりを失った方の照会を受け付けており(自然災害損保契約照会センター)、今般の熊本県で被災された方も対象としています。
なお、原則として、被災された方(ご本人)、被災された方(ご本人)の親族(配偶者・親・子・兄弟姉妹)からのご照会に限ります。
フリーダイヤル:0120-501331
ナビダイヤル:0570-001830
※IP電話からは、以下の直通番号へおかけください。
電話番号:03-6836-1003
受付時間:平日午前9時15分~午後5時
※災害時には、土・日・祝日も窓口を開けて照会を受けつけています。
なお、地震から火災が発生したときの火災保険のお手続きに関しては以下のリンクをご覧ください。
<参考記事>
また、実際に住宅が被災されたときには、被災者生活再建支援金の申請も行いましょう。
<参考記事>