アロマテラピーで使う精油はひとつよりも2つ、2つよりも3つとブレンドをして使った方が相乗効果が期待できるとともに、香りも奥深さを増してきます。
でも、どれとどれをブレンドすればいいのかわからない、使い方がよくわからない、という方のためにお悩み別のブレンド法をご紹介します。
目次
アロマテラピー基本の「き」
アロマテラピーには香りを楽しむ方法と、身体に塗ってマッサージをしてリラックスしたり、不調を改善したりする方法があります。
香りを楽しむ方法とは?
アロマランプなどを使って部屋に香りを拡散させて香りを楽しむ方法を「芳香浴」といいます。アロマランプがないときは、ティッシュにたらして置いておく方法もありますし、より香りを広げるならマグカップにお湯を入れて、そこにアロマオイルをたらす方法もおすすめです。
身体に塗る方法とは?
たとえば生理痛が辛い時にはマッサージオイルを作ってお腹や腰に塗るなどして、アロマオイルの成分をダイレクトに身体に届ける方法です。
身体に塗るときは精油をそのまま、原液で塗ってはいけません。必ず薄めてから塗るようにします。
薄めるための基剤としては、植物オイルもしくは水溶性ジェルを使います。植物オイルはできればマッサージ用のものがおすすめですが、食用のものでも使うことは出来ます。ただし、余計な添加物が入っていない、天然100%の植物オイルを使って下さい。
分量としては、小さじ1杯のオイルまたはジェルに精油2〜3滴くらいです。
水溶性ジェルはアロマショップやエステ用品を扱うお店で購入が出来ます。
身体への浸透率は水溶性ジェルの方が上
身体に塗って浸透させるという意味では、植物オイルよりも水溶性の方が効果が上です。というのも、植物オイルは分子が大きく、肌の表面の角質層までしか浸透できません。
そしてアロマオイルは油によく溶ける(そして水には溶けない)という性質があります。植物オイルに加えて塗っても植物オイルに溶けてしまっているので、角質層までしか浸透せず、体内にはわずかな量しか入っていかないのです。
その点、水溶性ジェルだと、アロマオイルを混ぜた時にさらに小さな粒になるだけで溶けてはいないので、肌にのせた時に細かいアロマオイルの成分だけが体内に浸透していき、血管を巡って全身に行き渡り、様々な働きをしてくれるのです。
実際、水溶性ジェルの方が植物オイルよりも浸透率が6倍以上、というデータもあるので、アロマオイルを塗るなら水溶性ジェルで薄め、その後マッサージをするために植物オイルを使う、という2段階の方法がおすすめです。
アロマブレンド基本の「き」
アロマオイルをブレンドするときは、トータルで何滴使うのか、ということをまず考えて、それぞれのアロマオイルの滴数を決めていきます。
例えば、アロマランプで香りを楽しむときは、部屋の大きさにもよりますが3〜5滴くらいが適当です。ラベンダーとオレンジスイートをブレンドしようと思ったら、
- ラベンダー2滴、オレンジスイート2滴
- ラベンダー1滴、オレンジスイート3滴
- ラベンダー2滴、オレンジスイート3滴
など、色々な割合でブレンドする方法があります。この割合によっても出来上がりの香りが違ってきます。自分の好みの割合を見つけるのもブレンドの楽しみの一つです。
1滴で数種類のアロマオイルを楽しむ方法
その都度好きなアロマを選んでブレンドするのは、出来上がりの香りを考えるのも楽しいものです。ただ、たくさんの種類のアロマオイルを使いたいと思うと、その分使用量も増えてしまいますよね。
5種類のアロマオイルを使おうと思ったら、最低でも5滴必要になってしまいます。コスパを考えるともう少し節約しつつ、色々な香りを楽しみたいですね。
よく使うブレンドは、最初から別のビンに混ぜておくと、1滴でも数種類分のアロマオイルを楽しむことが出来ます。
ラベンダー、オレンジスイート、ゼラニウム、ベルガモットのブレンドを寝る前に使いたい、と思ったら、その都度1滴ずつ、計4滴使うのではなく、最初から10滴ずつ、計40滴を空ビンに入れてブレンドしておけば、1〜2滴でも4種類のアロマオイルが使えることになりますし、その都度ブレンドする手間も省けて便利ですよ。
しかも、香りはブレンドして少しなじませておいた方がまろやかに、やわらかくなります。
お悩み別アロマオイルブレンドレシピ
それでは具体的に、何をどうブレンドするとどんな効果が得られるのか、ということをご紹介していきましょう。
3~5種類くらいをブレンドしていくといいでしょう。特に滴数の記載がない場合は、1:1の割合でブレンドすると思って下さい。
ストレスがあるときのリラックスブレンド
イライラしたり、ストレスがたまって疲れているときは、リラックス作用の高いアロマオイルをブレンドしましょう。
- ラベンダー、ローズウッド、オレンジスイート
- プチグレン、ベルガモット、ラベンダー
- マンダリン、リトセア、ベルガモット、ローズウッド
- イランイラン、プチグレン、オレンジスイート
- アカマツヨーロッパ、コリアンダー
その他、ご自分が好きな香りがあればプラスしてみて下さい。芳香浴を楽しみましょう。
女性の不調によいアロマブレンド
生理痛や生理不順、更年期障害など女性ホルモンのバランスが乱れることから起こる不調に良いアロマのブレンドです。
女性ホルモンのひとつ、エストロゲンと似た働きをするアロマオイルがあります。クラリセージ、アニス、スターアニス、フェンネルなどはエストロゲン様作用(エストロゲンようさよう)といって、ホルモンバランスを整える働きがあるので女性の不調に良いとされているんですね。
- クラリセージ、アニス(生理痛に)
- クラリセージ、バジル、タラゴン(生理痛に)
- クラリセージ、マジョラム、フェンネル(更年期障害)
- クラリセージ、マジョラム、マンダリン、プチグレン(月経前困難症に)
この他、痛みが強い人はペパーミントなどを加えてもいいでしょう。植物オイルもしくは水溶性ジェルで薄めてお腹や腰などに塗ってマッサージしてみて下さい。
※妊娠している方は使えないので注意して下さい。
自律神経のバランスを整えるブレンド
ストレスが続いていると、肉体的疲労の他に精神的にもダメージが大きくなりますね。自律神経は自分でコントロールできない神経ですから、アロマオイルを使って上手にバランスを取りましょう。
マジョラムやバジルは自律神経のバランスを整えるのに役立つとされています。
- マジョラム、ゼラニウム、マンダリン
- バジル、ベルガモット、プチグレン
- マジョラム、フランキンセンス、ラベンダー
- ネロリ、オレンジスイート
- カモミール・ローマン、ベルガモット
- プチグレン、ローレル、ベルガモット
寝る前に芳香浴でリラックスしましょう。
抗菌作用で風邪予防ブレンド
ほとんどのアロマオイルには抗菌作用がありますが、風邪のウィルスなどの増殖を抑える働きもあるので、風邪予防にも役立ちます。
- ラヴィンツァラ、ユーカリ・ラディアタ、サイプレス
- ティーツリー、ローレル、ラベンダー
- ユーカリ・ディベス、サイプレス、ラヴィンツァラ
- ローズウッド、ラヴィンツァラ、ユーカリ・ラディアタ、ティーツリー
もしかして風邪かな?と思ったら早めに植物オイルまたは水溶性ジェルで薄めたものを喉や胸などに塗っておくといいですよ。
またはスプレーなどを作って室内にシュッとしておくと、空気清浄効果もあり、ウィルスが空気中に広がるのを防ぎます。
抗菌スプレーの作り方
<用意するもの>
- スプレー容器(100ml程度でOK)
- 無水エタノール
- 精油
- 精製水
<作り方>
- スプレー容器に無水エタノールを少し入れます。
- アロマオイルを加えてよく混ぜます(アロマオイルの量は20〜30滴くらいまで)
- 精製水100mlを加えてよく混ぜたら出来上がり。
アロマオイルは水に溶けないので、先に水を入れると分離してしまいます。無水エタノールによくと貸し手から水と混ぜるようにして下さい。無水エタノールは薬局などで購入できます。
肌タイプ別スキンケアブレンド
アロマオイルにはスキンケア効果のあるものもたくさんあり、自分で作れば無添加の化粧水が作れますよ。
- ローズ、ローズウッド、パルマローザ(年齢肌に)
- ローズ、マンダリン、ゼラニウム(老化防止)
- セロリ、レモン(しみ、そばかすに。ただし、日中は使えません)
- ローズマリー、プチグレン(脂性肌に)
- カモミール・ローマン、ローズウッド、ラベンダー(敏感肌に)
- パチュリ、ローズウッド、パルマローザ(くすみの気になる肌に)
- プチグレン、マンダリン、ローズウッド(ニキビ肌に)
- ラベンダースピカ、ローレル、プチグレン(ニキビ肌に)
化粧水の作り方
<用意するもの>
- 無水エタノールもしくはグリセリン
- アロマオイル
- 精製水
<作り方>
- ボトルに無水エタノールかグリセリンを5ml入れます。
- アロマオイルを加えてよく混ぜます。(20〜30滴まで)
- 精製水を95ml入れてよく混ぜます。
オイリー気味な方は無水エタノールを、乾燥ぎみの方はグリセリンを使うといいですよ。
肩こり腰痛、筋肉痛など身体の痛み
筋肉の痛みを抑え、血行を良くするブレンドで肩こりなどの解消に。
- ウィンターグリーン、レモングラス、ローズマリー・カンファー
- ウィンターグリーン、ラベンダー、ペパーミント
- ペパーミント、ローレル、ローズマリー・カンファー
マッサージオイルを作って、痛みのあるところに塗りながら優しくマッサージしてみて下さい。お風呂上がりなど、血行が良くなっている時に行うのが効果的です。
冷え性やむくみに身体を温めるアロマ
女性は冷え性やむくみに悩む人が多いですね。身体が冷えていると痩せにくくなったり、婦人科系の病気の原因にもなってしまいますから、しっかりと温めて血行を良くしていきましょう。
- シダー、レモングラス、ローズマリー・カンファー(脚のむくみ)
- サイプレス、パチュリ(脚のむくみ)
- ジュニパー、ユーカリ・ディベス(脚のむくみ)
- ラヴィンツァラ、シナモン・カッシア(冷え性)
- ペッパー、レモン、サンダルウッド(冷え性)
- タイム・ツヤノール、ジンジャー(冷え性)
お湯を入れた洗面器にアロマオイルを入れて足浴をしたり、マッサージオイルを作ってふくらはぎのリンパマッサージをしてみましょう。寝る前にやると、翌朝脚がすっきりします。マッサージをすると血行も良くなって冷え性の解消にもつながります。
便秘の解消や胃腸の調子を整えるブレンド
食べるもの、植物の種や根から採れるアロマには、お腹に良い働きをするものが多くあります。
- コリアンダー、ジンジャー(便秘)
- バジル、フェンネル、ジンジャー(便秘)
- ジンジャー、ベルガモット(便秘)
- セロリ、ペッパー(健胃作用)
- コリアンダー、ペパーミント(胃痛)
植物オイルまたは水溶性ジェルで薄めてお腹に塗り、時計回りにゆっくりとマッサージしてみて下さい。お腹が冷たいときは湯たんぽやカイロなどで温めるとさらに効果的です。
身体の声を聞いてブレンドしてみよう
自分でアロマオイルをブレンドしてみると、自分の心や身体の状態に敏感になります。今どんな状態で、どんなアロマオイルを必要としているんだろう?と考えると、自然と身体の声が聞こえるようになるんです。
忙しくて疲れすぎてしまっていると、「疲れている」ことにすら気づかないことがあります。それが様々な病気の元に。自分の身体と心ですから、ケアしてあげられるのは自分です。病気になる前に、アロマオイルを使って元気にしてあげて下さい。