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自転車事故は他人事ではない?
ここ数年、健康志向や交通費の節約などの理由から、自転車通勤の方が増えているそうです。
そう言えば、先日仕事で渋谷で電車を降りて歩いていたら遠くのほうから「ビューン!」とロードバイクと言われる本格的な自転車が目の前を通り過ぎて行きました。「危ないなあ」と思いましたが、よく見るとそれ以外にもたくさんの自転車が道路や歩道関係なく走っていました。
私と同じような危ない経験をされた方も多いのではないでしょうか。そして、逆に自転車に乗る方も歩行者にぶつかりそうになった危ない経験をしたと言う人も多いのではないでしょうか。
警視庁のデータによれば、平成26年全国での自転車事故件数は約11万2000件にもなり、負傷者は約12,000人、死亡者は約540人と言われています。
そして、その中でも自転車対歩行者の事故は全国で2,551件発生しており、そのうち31.1%の793件が都内で発生しています(平成26年度の対歩行者事故での死亡者はゼロ)。
歩行者との事故は高額賠償の事例も
自転車が歩行者とぶつかった事故では、ケガや死亡により高額な賠償責任が発生する可能性があります。
2003年 約6800万円 東京地裁 男性がペットボトル片手に交差点に進入、横断中の女性と衝突、死亡
2005年 約5000万円 横浜地裁 女子高生が夜間無灯火で歩行中の女性と衝突、障害が残るケガを負わす
2007年 約5400万円 東京地裁 男性が信号無視で交差点に進入、横断中の女性と衝突、死亡
2008年 約9300万円 東京地裁 男子高校生が歩道から車道に斜め横断、男性と衝突、障害が残るケガを負わす
2013年 約9500万円 神戸地裁 小学5年男子が散歩中の女性と衝突、障害が残るケガを負わす
このように、障害が残るケガを負わせてしまったり、死亡させてしまった場合などは高額な賠償金を請求される事を覚えておいたほうがよいでしょう。高額な賠償金を請求された場合、自宅などの資産を手放してでも支払うと言う事がないように、万が一の事を考えて保険に加入しておく事をお勧めします。
最近よく目にする「自転車保険」とはどんなもの?
自転車保険とは、自転車に乗っている時に事故に遭い(起こして)ケガをした際の入院保障に加えて、事故の相手に対しての賠償(最高1億円)を補償する損害保険の一種で、保険料は年間で約4,000円~6,000円となっています。
インターネット経由で簡単に加入出来るものや、コンビニで加入出来るものなど比較的簡単に加入出来るのもメリットです。
先にも述べたように、趣味や通勤での自転車の利用が増えている事から、万が一の事を考えて自転車保険の加入を検討する人が増えています。
火災保険や自動車保険に加入している人は保険料がお得になる!?
自転車保険の加入を検討している人で自動車保険や火災保険に加入している人は、是非とも確認して頂きたい事があります。
自動車保険や火災保険には、特約として『個人賠償責任保険』を付加する事が出来ます。
個人賠償責任保険とは、第三者の物を壊してしまったり、ケガをさせてしまった(死亡も)場合に損害額が補償される保険で、自転車保険に付いている「相手方への賠償」と同じものです。
あなたの自動車保険や火災保険のどちらかひとつに、この個人賠償責任特約が付加されていたら、新たに自転車保険に加入する必要はありません。尚且つ、同居する家族が有する保険にこの特約が付加されていれば、一家全員が補償の対象となりますので、一度確認をしてみましょう。
また、保険料も自動車保険や火災保険に特約で付加したほうが年間で約2,000円前後と割安ですので、こちらのほうがお得です。余談ですが、自転車整備店などで貼ってもらえるTSマークにも賠償責任の補償がありますが、最高でも5000万円の補償ですので注意が必要です。
最後に、一番は保険を使うような事故に遭わない事、起こさない事です。
安全運転を心掛けて、見通しの悪い交差点や歩行者には十分に気をつけて楽しいサイクリング生活を送ってくださいね。