がんの治療、特に女性が抗がん剤での治療を行った場合、髪の毛が抜けるなどの副作用が心配になるのではないでしょうか。そこで、ここでは医療用ウィッグの特長や費用、選び方などについて解説していきたいと思います。
目次
医療用ウィッグとは?
医療用ウィッグは市販のウィッグと比べて、実は明確な定義や規定などの違いはありません。ですが、医療用ウィッグのほうを選ぶ人が多いのは、「現在治療中」の人がサイズ調整やアフターフォローなどの品質や機能を考えていると言うことも理由のひとつだと言えます。
医療用ウィッグの8つの特長
医療用ウィッグには市販のウィッグと異なる8つの特長があります。購入検討の際には是非ともチェックしたいポイントです。
1. 自然な見た目
機能性なども重要ですが、女性ならまずはこの「自然な見た目」を気にする人も多いんじゃないでしょうか。ウィッグは機能性と見た目が必ずしも一致するものではありません。また、サイズ感やフィット感などは人によって感じ方が異なりますので、必ず試着して購入するようにしましょう。
2. 変化に対応できるサイズ調整
抗がん剤治療を始めると、髪の毛は「脱毛」「発毛」「回復」と言う流れをたどります。このとき、頭のサイズは1~2cmも変わってきますので、サイズ調整ができて頭に常にフィットすることでストレスなく日常生活を送ることができるようになります。
3. 疲れにくいウィッグの「軽さ」
慣れていない人では帽子やサングラスでも1日付けていると疲れてしまうかもしれません。それはウィッグも同じです。重くはないか、過度な締め付け感はないかなど、実際に試着してみて検討の際のポイントにしましょう。
4. 蒸れない通気性
ウィッグの内側にあるメッシュ部分は直接地肌に触れる部分ですので、素材が悪いと「蒸れ」の原因となります。熱や汗を溜め込まない、通気性の良い素材を選ぶことでストレスなくウィッグを使うことができます。
5. 地肌に優しい素材
治療中にも使用することがあるウィッグは、素材が悪いと肌がかぶれてしまうなどの肌トラブルに見舞われてしまう可能性があります。なので、丁寧な手植えの素材か、実際に使用してチクチクしないかなどの確認をしましょう。
6. 快適な着け心地
ウィッグはメーカーによって着け心地が異なります。これは内側のネット部分の深さの違いとも言えます。浅すぎるとすぐに取れて不安定になったり、襟足が浮いて不自然な見た目になったり、見た目や着け心地は重要なポイントです。
7. 価格も大事なチェックポイント
医療用ウィッグは機能性やアフターフォローなどが充実しているため、価格も高額になりがちです。1万円ほどの安価なものもありますが、やはり直接地肌に触れるものでもありますので、機能性と価格と両方と相談して検討する必要があります。
通販では価格は約1万円~10万円前後が中心となっていて、店頭販売や専門店などでは約3万円~30万円と選べる幅も値段とともに広くなっています。
8. 通販の場合、無料試着ができるかどうか
通販の場合、試着ができないと言うケースも多いのですが、そうなるといくら価格が安くても購入を諦めてしまうことも多いでしょう。そう言った中で「無料試着」ができるところは安心して検討できるのではないでしょうか。
「実際に試着してみないとわからない!」、これは当然の意見ですので、「無料試着ができるかどうか」も重要なチェックポイントでしょう。
「無料試着」ができる医療用ウィッグの通販サイトに、4年連続でナンバーワンになったリネアストリアと言う会社があります。
リネアストリアは、「医療用でも素敵&かわいい」をコンセプトに作られた医療用ウィッグのスペシャリストで、国立がん研究センター中央病院や慶應義塾大学病院でも紹介パンフレットが見れるなど愛用する人も数多くいることで有名です。
【リネアストリアのホームページは以下の通りに進みます】
- リネアストリアをクリック
- 画面左側の「商品カテゴリで探す」の中の医療用フルウィッグをクリック
- 利用者のクチコミや性能などが詳しく書いてあります
「医療用ウィッグとはどんなものか?」なかなかイメージがわかない人でも、このようなサイトでイメージを膨らませて治療に臨まれてはいかがでしょうか。
リネアストリア以外では、ウィッグ大手のアデランスも女性向けオーダーメイドウィッグの無料試着体験を行っています。
リンクからサイトに飛ぶと、ページ真ん中あたりに「医療向けウィッグをお探しの方はこちら」とありますので、そちらから入って実際に使用した患者さんの声などを参考にしてみてください。
治療の流れと医療用ウィッグを選ぶタイミング
医療用ウィッグを選ぶタイミングは治療の流れとともに変わってきます。治療中はもちろんのこと、新しい髪の毛が生え揃い、元通りの長さに戻るまで必要になりますので、そのときどきのタイミングで必要なことを見ていきましょう。
1. 抗がん剤治療の決定と「ウィッグの準備」
まず最初の「試着」は、自分の髪の毛が生えそろっている「治療前」にしておきましょう。ウィッグのスタイルを今の自分と同じスタイルにするのか、イメージを変えるのか、自分の現在の髪型と見比べながら決めることができます。
髪の毛が抜け始めると、それまでの自分の髪型のイメージが思い出せなくなることはよくあります。ですから、治療前のこのタイミングが「初めての試着」のタイミングなのです。
2. 抗がん剤治療のスタートと「自分の髪の毛の事前カット」
髪の毛が抜け始めると、まだ生えている髪の毛と抜けた髪の毛が絡んでしまい手入れがしにくくなります。ある程度事前に切っておくと、シャンプーも髪の毛が絡まずにスムーズに行えます。
しかし、注意も必要です。髪の毛を短く切り過ぎてしまうと、抜け落ちた髪の毛が服やベッドに落ちた際にチクチクと肌に刺さりストレスになります。
3. 髪が抜け始める、「ウィッグの調整」
個人差があるので抗がん剤の治療が始まって2~3週間くらいでしょうか。髪の毛が抜け始めると、その分だけ頭のサイズが小さくなったり、逆に頭が浮腫んでサイズが大きくなったりします。この1~2cmの違いでもウィッグの着け心地は変わります。
サイズ調整は購入した店舗へ問い合わせたうえで行いましょう。高価な店舗販売の医療用ウィッグはこう言った点でアフターフォローが行き届いていることがメリットのひとつです。
また、髪の毛は自分で抜かないようにしましょう。頭皮が傷ついてしまいますので、自己流のマッサージなどもできるだけせずに専門家のアドバイスをもとにケアを行いましょう。
4. 抗がん剤治療完了、「発毛と定期的なカット」と「部分ウィッグ」
抗がん剤の投与が完了すると、平均して1~2ヶ月ほどで自分の髪の毛が生えてきます。抜け毛の影響で毛穴に変化が起こり、生えてくる髪の毛がクセ毛になったり白髪になって生えてくることもありますが、慌てずに自然の回復を待ってお手入れを定期的に行います。
髪の毛が生え揃うスピードには個人差があり、一般的には1ヶ月に1cmが目安となります。しかし、前髪と頭頂部は周りと比べて生え揃うまでのスピードが若干遅いので、焦らずに部分ウィッグなどを利用していきましょう。
髪の毛の回復が完了するまでに約半年から1年間がかかると言われています。フルウィッグや部分ウィッグを上手に使いながら治療に役立ててください。
医療用ウィッグは医療費控除の対象になるのか?
医療用ウィッグ、特に店舗販売のものともなると、その金額は高いものだと数十万円にもなります。そこで考えるのが医療費控除です。
医療費控除とは、1年間で10万円以上(所得200万円未満の人はその5%)の医療費を支払った場合、税金が控除されると言うものです。その項目には医療費はもちろんのこと、薬代、治療に必要と認められた交通費なども含まれます。
詳細は国税庁のホームページをご覧ください。
国税庁のホームページを見るとわかるように、現在「医療用ウィッグ」は医療費控除の対象となっていません。これは、医療用ウィッグが治療目的と言うよりも「美容目的」と認識されているからと言われています。
将来、この認識は変わるかもしれませんが今現在は医療費控除は受けられないと言うことを覚えておきましょう。
がん保険を上手に利用して費用を捻出する
医療用ウィッグは医療費控除の対象にはなりませんが、がん保険の給付金や保険金を上手に利用することで、これらの費用を捻出することも可能です。
みんなの疑問。がん保険ってそもそも必要なの?でもお伝えしていますが、がん保険には一時金としてまとまったお金が受け取れる保障があります。
健康保険の適用できる治療方法に決めた場合、かかる医療費は高額療養費制度も利用できますので負担額は少なくなります。
受け取った保険金や給付金に余裕があった場合、生活費の補てんや医療用ウィッグの購入代金に充てることもできます。そう言った意味でも、特に女性の場合には、がん保険の検討をしておくといいでしょう。