一人暮らしの人が引っ越しを考えた場合、部屋探しは1年のうちで一番いい時期っていつなのでしょうか?
なんとなく引っ越しをしたいなどと思い立った人は、転勤などで引っ越しの期限が決まっている人と違い、引っ越し時期を自由に決められるというメリットがあります。
しかし自由が故になかなか腰が上がらない人もいますよね。そこで単身者が引っ越すのに一番最適な時期とあなたのベストなタイミングがわかる方法を不動産のプロがお教えします。
目次
ズバリ!お部屋探しのタイミングは自分で決めるもの
毎日賃貸の仕事をしている私たちプロにとってよく聞かれるのはお部屋探しの時期とか引っ越しするなら何月がいいかなど、タイミングや狙い目の質問です。
結論から先に行ってしまうと、お部屋探しの一番いい時期というのは自分が「引っ越したい」と思った時です。
こんなことを言うと元も子もないと思うかもしれませんが、ちゃんと理由があるんです。
「引っ越ししたい」と「引っ越さなければならない」
引っ越しの理由は様々ですが、動機を考えると概ね次の2つに分かれます。
- 引っ越さなければならない
- 引っ越ししたい
この記事を読んでいる一人暮らしのあなたが仮に「引っ越さなければならない」としたら、その理由は転勤や結婚などで住む場所を変えたり、間取りを大きくする必要に迫られた場合などでしょう。
このタイプの場合は、すでにいつまでに引っ越しを終えなければいけないという期限がついて回るので「いちばんいい時期」を狙う余裕はないはずです。
つまり、お部屋探しのタイミングは動機に起因する事象の発生時に限定されます。
その反面「引っ越ししたい」という人たちの特長は往々にして「いつでもいい」とか「良い物件があれば」さらには「気分転換」や「なんとなく」などと理由や目的が漠然としています。
なのに「引っ越したい」と思っているのであれば、自ら行動を起こしてその時期を決める必要があるのです。その方法をこれからご紹介します。
あなたが引っ越しするなら何月?
一概にいい時期と言っても下のように希望によっていくつか挙げられます。
- 物件が多くなる時期
- 家賃が安くなる時期
- 落ち着いて部屋探しができる時期
物件が多くなる時期
単身用の物件(ワンルームや1K、1DK、1LDKなど)が市場に出回るのは1年を通してみると10月から翌3月末までです。この時期は新入学や就職で多くの単身者が部屋探しをする時期です。
同時に、卒業などで同タイプの間取りのお部屋が空室になるタイミングと重なって年間を通して単身用間取りが一番動く時期で不動産屋さんも大忙しになります。
「繁忙期」という言葉をよく聞くと思いますが、それがまさにこの時期です。
賃貸物件の契約期間は通常2年です。ですから一度契約して期間満了まで住めばまた同じ時期に空室になるので、多くの空室物件がこの時期に集中して出てきます。
メリット
単身用物件が多く流通しているのでたくさんの中から選びたい人にはベストな時期です。
デメリット
不動産賃貸の繁忙期と言われるように不動産屋さんは連日満員、物件も迷っていたらすぐによその人に取られてしまいます。即断即決が必須です。
家賃が安くなる時期
前出の繁忙期の時には黙っていても契約が成立していくので、大家さんも極めて強気です。家賃の値引き交渉をすると「他の人もこの家賃で入りたいって言っているから」等と言われて取り合ってもらいにくいのがこの時期の特長ですが、繁忙期を過ぎても空室になっている物件は交渉もしやすくなるうえ、黙っていても家賃が安くなるなんてこともあります。具体的には4月以降9月いっぱいまでです。
メリット
家賃交渉やその他の希望が比較的聞き入れられやすい時期です。
デメリット
とはいっても家賃が下がりやすい物件というのは最寄駅から遠かったり、築年数が古かったりと、それなりの弱みがある物件が多いのも事実です。
落ち着いて部屋探しができる時期
繁忙期の逆で閑散期という言葉がありますが、まさにこの時期です。一般的には梅雨時や夏の暑い時期ということになります。
メリット
単身用の物件は繁忙期にしか出てこないわけではありません。繁忙期は流通量が多いと言いましたが、この時期だって物件が無いということは決してなく、たくさんの物件を紹介してくれます。お客さんもまばらなので落ち着いて話を聞いてもらえます。
デメリット
内見や引越しの時に梅雨のジメジメと暑さとの戦いには覚悟が必要です。
以上、それぞれの時期にはメリット、デメリットがあります。自分がどのタイプを希望しているのかよく分析してみましょう。
はじめての不動産店。さてなんて言えばいい?
不動産屋さんに行き慣れていない人の中には、お店の敷居が高いっていう人も少なくありません。
「はじめてお店に行ったら何て言ったらいいのだろう」とか「怖くてなかなか入れない」なんて、「いったいどんなイメージなんだい!」って同業者からの声も聞こえそうですが、例えば来店の際に必ずと言っていいほど聞かれることがあります。それは
などとあなたなりに正直に答えたとしましょう。
不動産屋さんも商売で接客をしているわけですので、この答えによって「あ、このお客様は後回しでいいかな」なんて思われちゃうかもしれません。もしかしたら
なんて言われちゃうかもしれません。
では何て言えばいいのでしょうか?ひとつの例をご紹介しましょう。
2か月でもいいのですが、要は期限を設定したほうが良いということです。
賃貸の退去届は1~2か月前に出すという決まりがあります。仮に2か月前に退去届が出た物件は、その時点より「空き予定物件」として出回ります。
ですから実際にお部屋探しで動くのは2か月前くらいからになるわけです。上記のような受け答えが出来れば不動産屋さんも前のめりで接客してくれるはずです。
ちなみに私は「即入居希望です。」っていう言葉が大好物です(笑)。
皆さんも先ほどお話した3つの時期を参考に自分なりのタイミングを見つけて不動産屋さんに行きましょうね。
掘り出し物件を狙うには?
最後に不動産でよく言われる「掘り出し物件」のなかから新築物件に巡り合う方法をお教えします。
掘り出し物とは
思いがけなく手に入った珍しい物。また、思いがけなく安い値段で手に入れた物。コトバンク
不動産で言う「掘り出し物」は家賃の割りに良い物件であったり、こんな時期には出てこないであろう良質な物件のことを言うのだと思いますが、私の思う「掘り出し物件」はあくまでお客様自身が「満足」した物件ではないかと思いますがいかがでしょうか?私たちは、そのお客様の「満足」のために日夜物件探しを行っています!
ということで本題なんですが、「引っ越さなければならない」ではなく「引っ越ししたい」という人は引っ越し時期を自由に決められるというメリットがあると言いました。
毎年、単身者が殺到する3月末までのいわゆる「繁忙期」に合わせて新築物件も多数建築されます。当然新築物件は人気があり、完成前に決まってしまうのが常です。
繁忙期に決める人というのは「引っ越さなければならない」人たちであり、3月末までに引っ越しをしなければならないという期限のある人たちですね。
ここで毎年問題が発生するんです。
3月完成を予定していた新築物件が何らかの理由で完成が遅れることがあるんです。完成が4月にずれ込んだらどうなるのか。そこに起きるのは3月中に引っ越しを終えなければならない人たちのキャンセルです。
このキャンセル情報を確実にキャッチするのはネットではなく不動産屋さんとのコミュニケーションなのは言うまでもありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
引っ越しするのに一番いい時期は人によって違い、「この時期ですよ」と限定することができないのがわかっていただけましたでしょうか?ただし多く出てくる物件情報の種類にはシーズンがあるのも事実です。
一人暮らしの単身用物件は通年豊富ではありますが、繁忙期はその数が桁違いであることには間違いありません。
それは「物件が多くなる時期」として紹介しました。「家賃が安くなる時期」を狙いたい方、そんなことより「落ち着いて部屋探しをしたい」方はそれぞれの時期があなたのベストタイミングです。どうぞ2か月以内という期限を切ってお近くの不動産屋さんへ行かれてみてはいかがでしょうか?