台風やゲリラ豪雨の威力や被害が大きくなってきていると感じる人も多いと思います。
そんな中、もしこれからマンションの購入を考えている人がいたら必ず考えるであろう心配なことがあるでしょう。
「このマンションは洪水に耐えられるのか?」
「台風の被害は大丈夫なのか?」
「河川が近いけど大丈夫なのか?」
憧れのマンションを購入するために貯めてきた大切なマンション購入資金ですから、1つでも心配事はなくしたいと思うのが普通です。
そこで、昨今増え続けている大型台風やゲリラ豪雨などの水害に強いマンションを選ぶ5つのポイントについてまとめていきたいと思います。
目次
台風やゲリラ豪雨などの水害に強いマンションとは?
水害に強いマンションを考えるとき、そのポイントは大きく「マンション自体」、そして「事後の対策」の2つに分けることができます。
マンション自体と言うのは、マンションが建っている環境や構造などを言い、事後の対策とは管理組合や住人の対策を言います。
マンション自体の環境や構造を確認する
1. 水害の起こる可能性のある地域かどうか
マンションを購入する前に必ず確認しなければいけないポイントがあります。
それは、水害の起こる可能性がある地域かどうかの確認です。
いくら素敵なマンションでも、防犯対策が完璧なマンションでも頻繁に洪水が起こるような地域では安心して住むことはできないですし、資産性もよくはないでしょう。
購入候補のマンションがある地域で水害が起こるかどうか、起こったとしたらどれくらいの被害が想定されるのかは『ハザードマップ』で確認することができます。
ハザードマップは各地方自治体が管理しており、窓口やWebサイトで誰でも閲覧することが可能です。以下のリンクに日本全国のハザードマップをまとめてありますので参考にしてください。
<参考記事>
水害の起こりやすい地域は、やはり海沿い(高潮や津波)や川沿い(洪水)に集中しています。
また、川沿いじゃなくても低い土地や谷になっている土地は大雨の際に、降った雨が流れ込んでくる可能性が高いので注意が必要です。
逆に高台などではその可能性は低いのですが、低い土地や谷では考えることの少ない土砂崩れ・崖崩れなどに注意することも必要です。
2. 水害を考慮したマンション構造になっているか
当たり前のことですが、水は高いところから低いところに流れていきます。
それを踏まえて、マンションの建物部分を敷地の中で高いところに設定し、雨水などが道路に流れるように設計します。実際には道路側と建物側とで1mほどの高低差をつけます。
そうすれば、雨水や増水して溢れた川の水などがマンションに入り込む可能性は少なくなります。
また、1階や2階の低層階に住んでいなくても、大雨の場合には注意が必要なことはあまり知られていません。
大雨が降るとバルコニーにも雨が吹き付け、その溢れた水が室内に入ってくることも考えられます。
そうならないために、バルコニーの排水管の詰まり具合を確認し、どれくらいの頻度で清掃をしているのかなども事前に確認しておくといいでしょう。
3. 過去の水害の歴史などを確認しておく
これは、1つ目の水害のある地域かどうかにも繋がりますが、特に新しい地域に引っ越しをしてくる場合などは確認しておくといいでしょう。
二子玉川や武蔵小杉などの多摩川周辺は、タワーマンションが数多く建つ人気のエリアですが、過去におおきな水害があったことを知らない人も多いかと思います。
昭和49年(1974年)9月、台風16号の洪水により多摩川が氾濫。左岸の堤防が決壊して、東京都狛江市の民家19棟が流失するという大水害が発生しました。
濁流に住宅が次々と呑み込まれていく。そんなシーンがテレビで全国放送され、日本全体に大きな衝撃を与えました。 首都圏の住宅地で、しかも大河川・多摩川の「本堤防」が決壊するという、信じられないような光景です・・・
多摩川水害(あるいは狛江水害)とも呼ばれるこの水害は、のちの裁判で「人災」と認定され、国の管理責任が厳しく糾弾されました。
引用元: 多摩川散歩多摩川氾濫~多摩川決壊の碑 (昭和49年「多摩川水害」のモニュメント)
今では護岸工事もされ洪水のイメージがなくなりつつある多摩川ですが、自然災害が巨大化し、被害も甚大になってきていることを考えると、「今後も洪水はないだろう」と決めつけることはできないでしょう。
マンションを購入する前に、そのマンションの環境や立地条件などを考えて、その価格は妥当かどうかをまずは確認することも大事です。
参考:マンション購入・売却に本気な方のための無料会員制セカンドオピニオンサイト
事後の対策を確認する
4. 管理組合は機能しているか?
マンションの排水機能は、通常1時間に50mm程度の雨までを想定しており、これは一般的に大雨が降っても大丈夫なレベルの設定です。
しかし、昨今のゲリラ豪雨や台風では1時間に100mmを超える雨も記録されています。
このような雨にも対応できるように、管理組合のほうで排水溝や側溝などの清掃をしっかりとしているか、その頻度なども確認しておく必要があります(排水溝や側溝の清掃をしているだけで排水機能は全然異なります)。
そして、それでも浸水してきたときのために土嚢などの備蓄をしているかも確認しておきましょう。
また、管理会社や管理人が不在のときに浸水被害が起こったときの、住民による防災行動はどのようになっているか、土嚢などで浸水を防ぐためのノウハウは共有しているのかなども確認しておくといいでしょう。
5. 自分自身の普段からの心がけ
事前に色々と確認をして、マンション購入して住み始めたとしても、全てを人任せにせずに自分で普段からも防災に対して心がけておくことが重要です。
- 排水溝や側溝の清掃などを積極的に行う
- 浸水時も住民との協力体制
- 管理組合での積極的な姿勢
- 万が一の際の火災保険の加入
災害時に住民はどのように避難すればいいか、土嚢は誰がどのように積むか、管理組合で役員になった際には積極的にこの辺りを議論し、マニュアル作成などをしておくといいでしょう。
また、個人としてできることでは、「水災」の補償がある火災保険に加入しておくことも検討しておきましょう。
ただし、各損害保険会社で補償内容は似ていても保険料に差が出てくることは当たり前ですので、必ず複数(少なくても2社以上)の損害保険会社で見積もりを取るようにしましょう。
参考:住宅本舗『火災保険を10社以上から最適なプランをご提案(無料)』
台風やゲリラ豪雨に強いマンション まとめ
台風やゲリラ豪雨などの水害に強いマンションを選ぶポイントの5つをまとめます。
- 水害の起こる可能性のある地域かどうかを確認する
- 水害を考慮したマンション構造になっているかを確認する
- 過去の水害の歴史などを確認しておく
- 管理組合は機能しているか確認する
- 自分自身の普段からの心がけ
マンションを選ぶ際には、このように必ず自然災害の可能性や対策についても確認をしておきましょう。