コロナ禍ですが、Go Toキャンペーンが開始されるなど、気をつけながら人々が動き出しています。ゴールデンウィークも、夏休みも旅行などを控えていたので、解放感に浸っている人も多いのでは。新幹線や飛行機でちょっと遠くまで行くのもいいですが、遠出はちょっと心配…という方もいるでしょう。そんなときは近くを散策してみるのも新鮮です。
今回は、東京農業大学の向かい、けやき広場に建つ「東京農業大学「食と農」の博物館」でこの秋開催される2つの企画展をピックアップ。この博物館は、現東京農業大学の前身である日本初の私立農学校「東京農学校」から125年以上の歴史を誇る農大や食などの歴史に触れられる博物館です。
用賀周辺には、自由が丘や二子玉川など人気の街が近いですが、地元のおでかけスポットは未開拓という方は意外と多いのでは? Go Toキャンペーンだからといって遠くへ行かずとも、この機会に地元を堪能してみると、地元をもっと好きになれるかも!
目次
「歯」から見る恐竜時代 展
企画展示室A:(会期)2020年10月9日(金)~2021年4月11日(日)
約2億5000万年前から6500万年前の中生代の生き物の歯に注目。歯は食に欠かせません。中生代の生き物の歯はどのようだったのか、またどんなものを食べていたのか…。昔の生物の食生活に触れてみませんか。「食と農」の博物館ならではの視点を満喫できそう。巨大な恐竜の頭骨や翼竜(レプリカ)の展示も併せて楽しめます。
自然の中の数学展
企画展示室B:(会期)2020年10月9日(金)~2021年4月11日(日)
数学と自然がどう結びつくのかわからない…という人は多いのでは? しかし、森林や樹木、植物などの自然の中には、実はさまざまな数学の法則や仕組みが隠れているのだそうです。歴史ある農大がこれまで行ってきたさまざまな試みなどから見えてきた法則なのでしょうか。展示では、そんな身近な自然の中にある数学を、数学が苦手な人でも楽しく、わかりすく紹介。知ることで、自然への関心も変化するかも。展示のために採取された葉っぱや実物のアンモナイト化石も見どころとのこと。数学とのかかわりも気になります。
【東京農業大学「食と農」の博物館】
開館時間:10:00~17:00(12月~3月は16:30まで)
休館日:土日祝、夏季および冬季休業あり
入場料:無料
※現在は予約制で土日祝は休館。HPのトップページ「来館を予定されている皆様へ」をご確認ください。
URL:http://www.nodai.ac.jp/syokutonou/
歴史とともに動植物にも触れられる! 無料とは思えない充実した見どころが魅力
建物
2004年に設立された博物館。趣きがあるのに、シャープで都会的な印象の外観は、一級建築士の隈研吾氏によるもの。隈研吾氏といえば、新国立競技場やGINZA KABUKIZAなども手掛けている現代の日本を代表する建築家の一人です。都内では珍しい石づくりの建築。外観を印象づけているルーバーに使われている石は栃木県の芦野石だそう。建材は時間とともに美しく変化する自然の素材にこだわったのだとか。
入口には、色鮮やかな鶏のモニュメント、「ナレースワン大王鶏」が鎮座。ナレースワン大王は、タイ王国の三大大王の1人といわれています。その名を冠した闘鶏のモニュメントは、館内に展示されている鶏の剥製にちなんでいるとか。建築家がこだわった建物を間近に見るのも博物館へ行く楽しみになりそうです。
館内
館内にはひと休みできるレストランeggがあり、お茶や食事が楽しめますが、現在は休業中です。
展示室には、鶏の剥製標本や農大卒業生の蔵元から取り寄せた全国の日本酒の酒瓶のオブジェが並ぶ展示室が。このほか、農大だけに、農業に関わる道具の展示、古民家の復元モデル、クラシックトラクターや海の妖精・クリオネやナギナタナマズの生物も展示されていて、見どころ満載。いずれも暮らしに根差したテーマなので楽しめること間違いなし。
展示温室 バイオリウム
博物館の展示室奥には、「生き物の空間」という意味をもつ「バイオリウム」があります。ここは、リクガメやメガネザル、サボテンなどが見られるマダガスカル展示温室です。農大ならではの楽しみながら知識を育める空間は、無料とは思えないほどの充実ぶり。
大人はもちろん、農業や歴史はまだ難しい子どもでもここなら楽しめそう。バイオリウムを詳しく見て回りたいなら、研究員が案内・解説をしてくれる「バイオリウムツアー」に参加してみるのもおすすめ。こちらは有料です。
【バイオリウムツアー(有料)】
バイオリウム内を進化生物学研究所の研究員が、案内・解説して回るツアーを実施中。現在は事前予約制になっています。ツアーご希望の方は(一財)進化生物学研究所までご連絡ください。
電話:03-3420-7449 Fax:03-3425-2554
料金:大人500円 子供250円
※大人料金には、東京農大で開発された南米の機能食品カムカムドリンク付
(一財)進化生物学研究所 HP
https://www.nodai.ac.jp/rieb/biorium/index.html
身近に、大学があると街の雰囲気が若々しく、活気が感じられることが多いです。博物館が併設されている大学は多いですが、その中でも農業や食という身近なことをテーマにしている点で、東京農業大学「食と農」の博物館は誰にでもより親しみやすいはず。こんな素敵な場所が地元にあるなんて、誇らしいです。企画展にかかわらず、散策や知的好奇心を満たすために…ぶらりと足を運んでみては?
[最終更新日]2020/10/26 |