
台風や豪雨、大雪や地震などなど……。突然の災害による被害を最小限に抑えるためにも、日々の防災意識を高めておくことが大切です。
甲府市では現在、市民を災害から守るための様々な防災・減災対策が進められていますが、本記事ではこうした甲府市の防災に対する取り込みについてご紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
市民の生命・財産を守る6つの防災対策
「山の都」とも呼ばれる甲府市は、周囲を山に囲まれた甲府盆地の中央に位置しており、平時から土砂災害への警戒対策や平野部における河川増水による水害に備えた対策が進められています。
また、南海トラフ沿いに想定されている東海地震に伴う「地震防災対策強化地域」にも指定されているため、地震に備えた防災対策も積極的に進められています。
自主防災組織による自発的な活動
防災意識を高めるためには、まず甲府市内各地域に居住する住民一人一人の心掛けが大事です。自らが住む地域を「自分で守る」という自発的な意識が必要となります。
甲府市では、「自主防災組織」の参加を促すことにより防災意識を高め、災害に強いまちづくりを推進しています。日頃の取り組みによって、地域住民同士のコミュニケーションを図るとともに、万一の緊急時にも助け合える関係性が構築できるという相乗効果も生まれます。
市民の安全を確保する避難所の指定
災害時の避難場所は、すべての市民が安全を確保するための最重要スペースとなります。事前に避難場所を把握しておくことで、速やかな危険回避が可能になり、落ち着いた行動ができます。
お住いのエリア、またはこれから住む予定のエリアに設置されている避難場所は、しっかりと把握しておきましょう。
自力避難が困難な市民を守るための対策
万一災害が発生した際、自力で非難が困難な市民を支援する目的として、甲府市では警察や消防などと連携して「避難行動要支援者名簿」を作成しています。
災害時の速やかな給水体制
大規模な災害が発生すると、水道管破損などによる給水被害が想定されます。そうした場合に備え、甲府市では非常用貯水槽(地下式)や浄水機、備蓄されたペットボトルなどで、給水がストップした地域への飲料水供給に対応できる体制を整えています。
防災訓練や応援協定による災害時への備え
毎年8月最終週の日曜には、甲府市全体で総合防災訓練が行われます。
主会場 | 行政・防災関係機関などによって、自身の発生前~発生後までの訓練を行う |
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地区会場 | 自治会主導で初期消火訓練や飲料水確保などの訓練を行う |
訓練は、主会場と地区会場ともに一斉に開始されます。
自主参加型防災訓練―シェイクアウト訓練
さらに、市民の自助意識高揚のため、自主参加型の一斉防災訓練「シェイクアウト訓練」も実施しています。
シェイクアウト訓練は、防災訓練開始の合図に合わせ、その場で身の安全を確保する目的で行う訓練でのことで、自主的に参加することでより防災意識を高められる効果が期待できます。
各都市や協定機関との応援協定締結
また、甲府市で災害応急対策が必要となった際、都市間において助け合える応援協定を締結しているほか、物資の輸送や供給、応急的な復旧工事などを速やかに行うための協定も各企業・機関と締結しています。
防災リーダー
豪雨や土砂災害はもちろん、大雪や地震などによる被害は今や他人事ではなくなってきており、いつどこで災害が発生してもおかしくない昨今、防災意識を高めることの重要性が指摘されています。
住民同士のコミュニケーション低下が叫ばれる時代ですが、災害の発生した地域では地域住民による自助・共助のありがたみが再認識されています。特に、被害を最小限に食い止める意味でも、自助・共助の意義は非常に大きなものがあります。
そこで甲府市では、災害に備えたまちづくりを推進するため2012年に「甲府市防災リーダー登録制度」を創設。各地域において防災活動に取り組める人材育成にも注力しています。
メルマガやアプリによる防災情報の提供
災害に備えた活動と合わせ、甲府市ではメルマガの配信やスマホアプリなどの活用によって各種防災情報の提供も行っています。これにより、平時においても常に防災の情報収集が可能です。
甲府市防災防犯メールマガジン
「甲府市防災防犯メールマガジン」では、防災・防犯情報を文字情報として確実に受け取れます。各種災害情報はもちろん、市内の防犯情報を受け取れるほか、防災無線で流された内容も伝えてくれるため、「防災無線が聞き取れなかった」という場合にも便利に活用できます。
緊急速報メール
緊急速報メールは、気象庁配信の緊急地震速報や、自治体配信の災害情報・避難情報などが一斉配信されるサービスです。
- 緊急地震速報
- 気象等に関する特別警報
- 大規模テロ情報
- 避難指示(緊急)
以上のような、緊急性の高い情報を配信しています。
甲府市防災アプリ
平時における防災情報収集などに役立てるようにと、甲府市では2018年から「甲府市防災アプリ」の提供が開始されました。
防災マップ | 現在地からもっとも近い避難場所や公共施設などを一覧表示してくれるほか、ルート検索機能も搭載 |
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お知らせ機能 | 気象に関する警報・注意報、避難情報、災害時の避難所開設情報や対策本部設置情報、他国によるミサイル発射情報等の国民保護情報、防災無線放送内容の受信 |
安否情報 | 安否確認サイト「J-anpi」と連携。家族等の安否情報検索や自身の安否登録ができる。事前に基本情報を登録しておけばいざという時に速やかな利用が可能 |
避難計画 | 災害時、自身の現在地情報などを指定した家族などのメールアドレスに知らせてくれる機能。家族などとの集合場所や、配信される指定メールアドレスといった基本情報を事前に登録しておける |
防災マニュアル | 市内各戸に配布されている「わが家の防災マニュアル」の電子版が閲覧できる。英語、ポルトガル語、中国語、韓国語などの各言語にも対応 |
防災関連リンク | 雨量、河川水位といった様々な防災関連サイトが掲載されているリンク集 |
甲府市防災アプリは、Google PlayおよびApp Storeにてダウンロード可能です。
甲府市防災ポータル
甲府市の避難情報、避難所開設情報、防災無線の放送内容などの各種防災情報は、「甲府市防災ポータル」でも最新情報を確認できます。アプリと合わせて活用すると便利です。
ハザードマップによる被害想定の可視化
ハザードマップとは、いわゆる「被害予測のための地図」です。水害や地震など、想定される被害を事前に可視化しておくことで不測の事態に備えることができます。
甲府市では、洪水・地震・排水機場・ため池などに関するハザードマップを提供しています。
甲府市洪水ハザードマップ
市内8河川の堤防が同時決壊したと想定した大規模水害の危険性、千年に一度とも言われる豪雨を想定した洪水浸水想定区域図などに基づいた「甲府市洪水ハザードマップ」には、水害時の避難に関する情報なども記載。不測の事態が発生しても、スムーズな避難行動を可能にするために活用できます。
地震ハザードマップ
甲府市全体の揺れやすさ、市内各エリアごとの揺れやすさや危険度などがマップ化されており、建物倒壊などに備えた事前対策の参考にすることができます。
排水機場内水ハザードマップ
「排水機場内水ハザードマップ」とは、市内3地点に設置されている排水機場が機能しなくなった際に発生しうる最大の内水被害を想定し、浸水区域とレベルを表したハザードマップです。
マップは、「50年に1度の大雨時に地震によって機能しなくなった」ことを想定して作成されています。
ため池ハザードマップ
市内10ヵ所のため池が決壊した場合を想定したハザードマップです。晴天時における地震によって瞬時に貯水量が流出したと想定した浸水範囲とレベルがマップ化されています。
また、2018年7月の豪雨によって多くのため池が決壊したことから、「防災重点ため池」が再選定され、甲府市北部・南部それぞれのため池マップが公表されました。これにより、より迅速な避難行動に備えることができるようになりました。
[最終更新日]2020/11/12 |
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